1)ガルシニア(Garcinia)とは
学名:Garcinia cambogia。オトギリソウ科の常緑樹で、インドや東南アジアに生育。熟果は生食。乾燥果皮をカレーの味付けに利用。別名:ゴラカ(Goraka) 、タマリンドマラバー(Tamarind Malabar)。
2)ガルシニアの成分
ガルシニアの乾燥果皮に含まれる成分として、(-)-ヒドロキシクエン酸(HCA)のラクトン体が報告されている。(文献1)。3)ガルシニアの機能性
ガルシニアに含まれるHCAに脂肪の合成を抑制する作用が見いだされ、ダイエット食素材として注目されている。4)作用メカニズム
食事等から過剰に摂取された糖質はクエン酸サイクル(TCA回路)において、クエン酸からアセチルCoAに変換され、脂肪酸合成に利用される。この変換に関与する酵素がアデノシン3リン酸クエン酸リアーゼ(ATP:citrate oxaloacetate lyase, EC 4.1.3.8)。ガルシニアのHCAはクエン酸と化学構造が類似しているため、この酵素の作用を阻害し、脂肪酸合成を抑制する。またこの阻害反応により変換されないクエン酸の増加により、グルコースからグリコーゲンの生成量の増大により血糖値の安定化により、空腹感の抑制に伴う過食予防による効果も期待される。
文献1:Y. S. Lewis, et al., Phytochemistry., 4, 619 (1965).
参考文献:阿武尚彦、食品と開発、33、30-32(1998).
吉田真理、FOOD Style 21, 3, 61-63(1999).
(最終更新日:1999.5.13)
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