がん看護コース研修
緩和ケアリソースナース養成プログラム研修会

 平成28年11月19日(土)北海道医療大学札幌サテライトキャンパスにおいて、文部科学省選定がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン がん看護コース緩和ケアリソースナース養成プログラム学生支援事業によるOCNS事例検討会が、北海道専門看護師の会共催で開催されました。
 今回のテーマは「認知症のある高齢がん患者へのケア」で、参加者はCNS、CNSコース大学院生および修了生、看護師、教員を合わせて26名でした。事例提供は、市立札幌病院の緩和ケアチーム専従看護師であり緩和ケア認定看護師資格とがん看護専門看護師資格をお持ちの松山茂子さんにお願いいたしました。また、アドバイザーとして前半の講演会に引き続き、公益社団法人日本看護協会看護研修学校 認定看護師教育課程 認知症看護学科で専任講師をされている島橋誠先生と国立がん研究センター東病院精神腫瘍科/先端医療開発センター 精神腫瘍学開発分野の小川朝生先生にもご参加いただきました。
 いつになく事例検討会参加者が多く関心の高いテーマであることが伺えました。グループワークでは疼痛マネジメントに焦点があてられ、各グループで具体的なアセスメントや方略について話し合われました。参加者からは、認知症のある高齢患者の痛みを知るうえで「患者の言葉の意味を考える機会ができた」「アセスメントが非常に参考になった」との言う意見が聞かれました。また、講師の先生からは、「常に患者がどこで療養したいのか、家族を含めた療養の場の目標をどこに置くかを話し合い、それに応じた方略の検討が必要である」との助言をいただき、認知症の有無に関わらず可能な限り患者の意思決定を支援する姿勢の重要性を理解することができました。
臨床の場面では、がん看護専門看護師や多くの役割を複合的かつ連続的に発揮していくため思考が流れていくことも多いのが現状です。このような事例検討会で、問題を焦点化するチカラや、検討内容に適した場面を切り取るチカラ、その場面を多角的に捉えるチカラを意識的に学び続けることは、高度看護実践の向上につながると再認識しました。今後も北海道全体のがん看護に携わる看護師の力を底上げできるような学習の場を持ち続けたいと考えています。
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〜アンケートより〜
  • 具体的な事例を通して、どう関わるのがいいのか、再確認できました。
  • 認知症の患者が体験していることを理解しることが、ケアにつながることが理解できました。
  • 認知症の人だけではないですが、患者の言葉の中に何が込められているのか、意味にしているのか看護の視点を学習することができました。