地域合同キャンサーボード・特別セミナーを開催

 4大学連携インテンシブプログラム「地域がん医療コース」は、「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」の一環として、地域がん医療を担うことのできるチーム連携能力の高いがん専門医療人の育成などを目的として、4大学が地域の医療機関と連携して実施するものです。
 本年度は昨年度と同様に4大学が分担し、地域の医療関係者を対象とする「地域合同キャンサーボード・特別セミナー」として、多職種間でのがん治療方針の決定等のプロセスやチーム医療の重要性を認識するため、実際の症例を介した検討・意見交換を行う「地域合同キャンサーボード」と、薬物療法・放射線療法・緩和療法などの専門的治療などに関してレクチャーを行う「特別セミナー」とを合わせて、道内3か所の医療機関で開催しました。
 本学は北海道大学との共同による「地域合同キャンサーボード・特別セミナー」を、昨年度に引き続き室蘭市の製鉄記念室蘭病院を会場として、平成25年12月10日(火)に開催し、53名の参加がありました。
 まず、前半の「地域合同キャンサーボード」では、北海道大学大学院医学研究科の秋田弘俊教授および製鉄記念室蘭病院副院長の前田征洋先生を座長として、製鉄記念室蘭病院の医師等が参加した症例検討が行われ、実際の症例にもとづく(1)患者の全身状態、病期診断の検討、(2)治療方針の決定、(3)術後の病理検査報告、治療の経過報告等を通じた意見交換により、臨床におけるがん医療の実践に関して認識を深めました。
 引き続き行われた「特別セミナー『がんに関する最新治療について』」では、北海道大学大学院医学研究科の秋田弘俊教授を座長に、北海道大学大学院医学研究科の清水伸一良彦特任准教授による「がんの放射線治療と陽子線治療」、北海道大学病院の半澤江衣がん看護専門看護師による「がん患者の家族への看護 ~実践事例の分析から~ 」、北海道大学病院の齋藤佳敬がん専門薬剤師による「がん病棟薬剤師の業務と薬物療法の適正化」という3つの講演がありました。
いずれの講演もそれぞれの分野における高い専門性と臨床における実践に即した内容であり、参加者にとって新たな知識を獲得する有意義なものとなりました。