第1回目がん看護コメディカル研修 緩和ケアリソースナース養成プログラム研修会を開催

会場写真
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 がん看護専門看護師養成コース第1回プログラムでは、平成25年8月17日(土)、北里大学病院がん看護専門看護師 近藤まゆみさんを講師にお迎えし、「CNSと組織が協働する看護外来への取り組み」について研修会を開催しました。参加者は、CNS、CNSコースの大学院生と修了生、CNS等の教育関係者など27名でした。
 OCNSが組織の中で役割開発をする中、求められる役割の在り方の一つとして看護外来の開設、運営があげられます。専門に特化した看護外来をどのように企画し、組織と協働していくことで患者や家族へ質の高いケアが提供できるようになるのかを実際の活動を踏まえてご講演いただきました。
 外来は病棟と在宅をつなぐ役割があると同時に、患者さんが多くの意思決定を求められる場が多くなり、外来看護師の役割は医療体制の変化とともに変容していくと考えます。そして、OCNSが看護外来を持つことでスペシャリストとしての成果や責任を可視化していくことが求められていると考えます。
 近藤先生からは看護外来開設に至るまでの取り組みや、企画を組織に分かりやすく伝える実際の方法から病院の建て替え・増築をきっかけとしたOCNSの働きかけなどのお話などを伺うことができました。看護外来を開設するにあたり組織に対して看護外来開設の必要性を伝えていく必要があります。そこで近藤先生は、丁寧に患者さんの置かれている状況を分析し、デメリットを整理し、現在の医療の動向を踏まえて組織に対してメリットを説明していました。OCNSには緻密な状況分析とそれを伝えていく能力が必要であると改めて考えることができました。
 看護師が「待ちの看護」と「攻めの看護」を患者さんの状態によって意図的に役割の果たし方を変化させていくことや、実際にどのように意思決定支援を行っているかを事例や7つのステップに基づいて説明してくださり、参加者の満足度も非常に高いものとなりました。
 道内のOCNSも少しずつ増加し、他大学のOCNSコースの方の参加も増えてきています。今回も医療体制の変化に合わせたタイムリーなお話をお聞きしながらOCNS同士が新たな知見を得、互いに学び合う良い機会となりました。患者さんやご家族に求められるOCNSとして活躍できるよう今後も自己研鑚を続けようと感じる講演会となりました。

〜アンケートより〜
  • 具体的活動と活動における根拠など、詳しく聞くことができ、大変学びが多かったです。今後の活動の参考になるお話が聞けました。
  • CNSを目指して大学院で学んでいます。仕事を続けながら学んでいるため、病院からはCNSになってからの活動も考えるよう言われています。その1つとして看護外来を考えており、とても参考になりました。
  • 現在、実習期間中であり、ptとどのように関われば良いのか悩んでいた。自分自身の関わりと、近藤先生との事例での関わりを聴き、自分に欠けている部分が少しだけですが見えて来たように感じた。
  • 今後の活動を考える上でのヒントがたくさんいただけた。
  • 組織分析をし、患者・家族のニーズに沿った看護ケアを提供するために、OCNSとしてどのようなスパンでどのように働きかけ、動くのかがよく見えた。常に変化・ピンチをチャンスにできる行動力が求められると思った。