第2回目がん看護コメディカル研修 緩和ケアリソースナース養成プログラム研修会を開催

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 がん看護コメディカル研修 緩和ケアリソースナース養成プログラム研修会第2回プログラムは、平成24年9月15日(土)、「CNSが行う倫理調整とは」をテーマに、第T部の講演と第U部の事例検討の二部構成で開催しました。参加者は、CNS、CNSコースの大学院生と修了生、CNS等の教育関係者など32人でした。第T部の講演は、淀川キリスト教病院の田村恵子先生をお迎えし「倫理的感受性を育み、組織文化にするには」と題して、田村恵子先生が臨床で倫理的感受性を「育み」、それを「組織文化」にまで仕立てていくために、約10年間どのように取り組んできたのかを教えて頂きました。「看護を考える」という名称の勉強会から開始し、「臨床倫理検討会」、さらに「哲学カフェ」と発展させていくプロセスを意図と評価に焦点をあて丁寧に紐解きご説明頂きました。田村先生の問題解決に向けたダイナミックなゴールオリエンテッドな思考、一方で現場に根付いた地道できめ細かな戦略的介入は、変革者(チェンジエージェンシー)としての重要な能力であると感じ取ることができました。
 第U部「意思決定が困難ながん終末期患者へのセデーションを希望した家族との関わり」 では、がん看護専門看護師の遠藤佳子さんが臨床で遭遇した事例を紹介しながら、グループに分かれてディスカッションを行いました。意志決定能力の低い患者さんに遭遇した際、CNSはどのようなことを予測しチームにどのように意図的に関わるのか、セデーションの妥当性と相応性をガイドラインに沿ってどのように検討したのか、事例から発展させて、臨床での倫理的問題にどのように対応しているかなど幅広く議論されました。「部署、院内の倫理的感受性が高まり、根付くためには、長い年月をかけて、コツコツ取り組むことが必要と改めて実感した。」、「自分のこれからの目標を考えていく上で、整理できた。カンファレンスを開くこと一つにしても、CNSとしての意図をもって関わっていくことが大切で、その難しさもある事を感じた。自分であれば、どのような動きが出来るのか、考えてみたい。」などの参加者からのご意見を頂きました。田村さんは倫理調整とは、CNSが実践してしまうのではなく、スタッフと共に考えて行動するといった、教育指導的な要素を含む役割であることを強調されていました。
 第2回も田村恵子先生、北海道CNSの会のご協力を得て、有意義で活発な意見交換があり、北海道のがん看護の底力と将来への期待を感じました。
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