第1回目がん看護コメディカルコース研修を開催

会場写真
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 がん看護専門看護師養成コースプログラムとして、平成23年9月23日(金)、「CNS活動と組織について」と題し講演会を開催しました。講師として、北里大学病院がん看護専門看護師 近藤まゆみさんをお迎えし、CNS活動と組織との関連について実践的なご講演いただきました。現在、日本では専門看護師をはじめ、診療看護師や特定看護師など種々の高度実践看護師の養成が議論されています。この中で、専門看護師の場合、対象者個々への働きかけだけではなく、所属する組織全体の変革を視野に入れた活動が特徴になると思います。そこで、今回、近藤まゆみさんには、患者支援センターに属しながら実践している活動が病院組織とどのように関連するのか、その実践例をご講演いただきました。具体的には、ケースマネジメント、組織のエンパワーメントを支援する、チェンジエージェントとしての活動の観点からのお話しでした。当然ですが、どの観点もご自身の実践活動にもとづいた内容ですから、日々の実践が眼前に浮かぶほど具体的にイメージできました。とりわけ、4つの病棟での組織エンパワーメントにむけた支援では、それぞれの看護師の悩みやこうありたいという思いからぶれずに、病棟チームの特徴や課題をおさえつつ、当事者が変化を発見できるよう多様にアプローチしている様子がよく理解できました。また、印象的だったことは、CNS活動は、そのときの成果の及ぶ範囲に違いこそあれ、どの役割も組織に色濃く反映されるものであるということです。そのため、活動する本人がいかに「全体」を視野に入れているかが重要であり、また、組織との協働のプロセスによって初めてCNS活動が組織に根づくことが実感として理解できた講演会でした。
 講演会の参加者は、CNS、CNSコースの大学院生と修了生を中心に25人でした。道内で誕生したばかりの「若い」CNSの皆さんは、自身の組織における今後の活動についてヒントを得ることができたのではないでしょうか。