第5回目がん看護インテンシブコース研修看護・薬学共同シンポジウムを開催

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 平成22年2月20日(土)、ホテルロイトン札幌にて、「北海道の外来がん化学療法の現状と課題」と題し、看護・薬学共同シンポジウムを開催致しました。このシンポジウムでは、北海道で外来がん化学療法に積極的に取り組んでおられる施設の看護師・薬剤師を演者にお招きし、外来化学療法を安全・確実に実施するための取り組みや工夫、日ごろ課題に感じていることについてご発言いただき、今後の北海道の外来がん化学療法の発展に向けてディスカッションを行いました。演者は、本庄睦子先生(KKR札幌医療センター斗南病院 副看護部長)、松田夕香先生(札幌医科大学附属病院 がん化学療法看護認定看護師)、佐々木祐美先生(釧路労災病院 がん化学療法看護認定看護師)、高橋健太先生(NTT東日本札幌病院 薬剤科 薬剤師)、小野尚志先生(旭川医科大学病院 薬剤部 がん専門薬剤師)の5名です。
 看護師から、本庄先生は、斗南病院における化学療法の歩みを紹介しながら、レジメン管理、インシデント分析とシステム化の重要性について強調され、安全にがん化学療法を行うためのシステム作りについて解説されました。また、松田先生は、大学病院で外来化学療法室を立ち上げてきたご経験から外来がん化学療法を行う看護師の役割を説明され、今後の課題に待ち時間の短縮化をご提言されました。そして佐々木先生は、がん化学療法看護の目的を述べながら、自施設の外来化学療法のシステム、看護の工夫を説明され、広域をフォローする地域医療連携の充実などを今後の課題として述べられました。薬剤師から、高橋先生は、多職種による患者面談やカンファレンスの重要性を説明され、内服抗がん剤の管理に対する調剤薬局との連携の取り組みについて紹介されました。また、小野先生は、がん専門薬剤師の役割とご自身の活動を説明され、監査、プロトコル審査基準の工夫などを伝えてくれました。質疑応答では、具体的な管理方法や患者の経済的問題などが話題になり、さまざまな視点から医療者の課題を考える機会となりました。当日は、268名の方にご参加いただき、「外来化学療法の問題、今後の課題について再認識できた」「是非応用したいと思うことがたくさんあった」という声をいただきました。今回のシンポジウムで学んだことを基に、参加者の方それぞれが施設の現状を分析し、施設に合った方法で外来がん化学療法に取り組んで頂ければ幸いです。
グラフ

図1 研修は役立ちましたか?

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