第1回目がん看護インテンシブコース研修を開催

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 5月9日(土)に、京都大学付属病院 地域ネットワーク医療部師長 退院調整看護師である宇都宮宏子先生をお招きして「がん患者が望む場所で暮らすために〜切れ目のない地域連携とは〜」をkanwa-n-netと共催し開催し当日は99名の方にご参加いただきました。 宇都宮先生からは「がん患者が望む場所で暮らすために」というテーマでご講演いただき、“看護師だからこそ出来る医療の側面と生活の側面を統合したアセスメント”の重要性、そして“患者・家族がもつ力と生活者としての強さを信じその力を高めること”を、具体的な事例やエピソードを紹介していただきながら退院調整看護師の専門性についてご講演いただきました。
 その後のシンポジウムでは「家族の力によって、予想外に在宅死までたどり着いた事例を通して〜それぞれの立場から切れ目のない地域連携を考える」をテーマに、病棟看護師の立場から佐川景子氏、退院調整看護師の立場から小野塚美香氏、訪問看護師の立場から田中ひとみ氏に発表いただきました。それぞれの発表では、佐川氏が患者さんの「家に帰りたい」という言葉をキャッチし、その願いを叶えようと支え小野塚氏へつなぎ、佐川氏と小野塚氏が共に家族の揺れる思いを支えつつ在宅へとつないだこと、そして訪問看護師の田中氏がそれを受け最期まで家族の力を信じ続け在宅で看取ることを支える、まさに切れ目のない連携をご紹介いただきました。最後に宇都宮先生からのコメントとして、医療と介護の両側面から情報を整理しアセスメントすることの重要性について事例を通してわかりやすく整理していただきました。
 研修後のアンケートでは、「退院調整は看護師が主体となって行っていく必要性が理解できた。」「具体的な内容だったのですぐに役立てることができそう」という講演に対する意見や、「入院から在宅まで事例を通してそれぞれの立場からの発表だったので連携についてよく見えた」というシンポジムに対する意見をいただきました。
 がんになっても一人ひとりが望む場所で暮らすという生活者としての本来の形に戻すためには、看護の力が大きいと感じた研修会でした。
内容に関しての満足度

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