ONE TEAM, ONE DREAM. GREETINGS ご挨拶

理事長ご挨拶

学校法人 東日本学園 理事長

鈴木 英二

 本学は、医療や福祉にかかわる専門職業人の育成を目的として、「知育・徳育・体育 三位一体による医療人としての全人格の完成」を建学の理念に1974年に設立されました。当初は道東の音別町を教養部としてスタートし、その後、当別キャンパス、札幌市あいの里キャンパス、札幌駅前サテライトキャンパスと施設・設備の拡充を図りながら、大学の使命である「教育・研究・社会貢献」に努めてまいりました。現在は6学部9学科を擁する医療系総合大学として、総学生数は大学院、専門学校を含め約3,700名、卒業生数は24,000名を超える数となっております。大学院は現在申請中の医療技術科学研究科臨床検査学専攻博士課程の設置が認められると、すべての学部・学科を基礎とする研究科、専攻が整備されることとなります。
 振り返ると、ここに至るまでの間は、オイルショックや数多くの災害、記憶に新しいところではコロナ禍など、険しい道のりも少なくはありませんでしたが、何とか歩んでこられたのは、先人たちの並々ならぬ努力と同窓会、後援会はじめ本学にご理解いただき、惜しみないご支援ご協力をいただいた皆様のおかげと改めて感謝申し上げる次第です。
 私自身も本学の歴史とほぼ同じ年数を事務職員・理事などとして過ごしてまいりましたが、入職当時(1978年)は、手書き原稿を清書するためには、一字一字活字を拾うタイプ打ちの方法が主流で、新学部の設置業務などがあると徹夜が続くことは当たり前となっていました。その後、ワープロの普及を経て、現在のようにPCが一人一台で使える時代となりました。このように事務処理一つをとっても隔世の感があります。
 本学の教育理念・目的の一つに、「保健と医療と福祉の連携・統合をめざす創造的な教育を推進する」ことが謳われており、これは、現在、医療現場で進められている「多職種連携」につながるものです。本学の学部学科は、その多職種連携の実際を、授業からばかりでなく、クラブ活動や日常の学生生活からも自然に体得することができるよう配慮されております。今後も引き続き、教育内容の充実を図るとともに、学生・教職員の皆さんが安全・安心で楽しい大学生活を送ることができるよう、学校法人としての責務を全うしていきたいと考えております。
 近年、少子高齢化の波が押し寄せ、私立大学にとってまさに正念場ともいうべき時を迎えようとしています。本学も初心にたち帰り、国内ばかりでなく海外からも学生が集まるような大学となるよう、その魅力を高めていかなければなりません。北広島新キャンパス構想の具体化など、その一環として検討を進めなければならない事項は山積しておりますが、この50周年を良い機会ととらえ、教職員、学生が協力して、明るい魅力ある大学づくりを進めていきたいと考えております。
 これからも皆さまからの建設的なご意見、温かいご協力をいただけますようよろしくお願い申し上げます。

学長ご挨拶

北海道医療大学 学長

三国 久美

 北海道医療大学は、2024年に学園創立50周年を迎えました。これを記念し、「50周年記念誌」が発行される運びとなりました。近年のSDGsの取り組みに対応し、冊子体ではなく、WEB上で記念誌を作成することといたしました。ご高覧いただけますと幸いです。
 本学は、この50年の間に薬学部、歯学部、看護福祉学部、心理科学部、リハビリテーション科学部、そして医療技術学部を開設し、今では6学部9学科および6つの大学院研究科と歯学部附属歯科衛生士専門学校を擁する北海道内でも有数の医療系総合大学となりました。この間、本学の発展に力を尽くされた先人のご労苦に敬意を表します。
 本学は、知育・徳育・体育の三位一体による全人教育を建学の理念としています。また、保健、医療、福祉の領域で活躍するヒューマンケアの担い手に求められるのは、同じ目標に向かってチームを組み、時には非専門職とともに協力し合い、ケアの対象者とその家族の豊かな生活を支えるための対象者中心の良質なケアの提供です。このようなことから、本学では、多職種連携教育を取り入れ、人間性豊かな専門職業人の育成に取り組んできました。現在では、24,000人を超える卒業生を輩出しており、国内外でのさまざまな分野における卒業生の活躍は高く評価されています。さらに、優れた研究成果をあげ、多方面で活躍する研究者も輩出しています。
 少子高齢化による人口減少が進み、社会構造が変化し、将来の予測が難しい時代になりました。私たちには、今までの50年で蓄積してきた成果を踏まえ、この先の50年を見すえた教育が求められています。人々の多様な価値観を踏まえ、主体的に考え、チームメンバーと協力し合い、対象者一人ひとりに合ったWell-beingの実現のために柔軟に対応できる人材が求められています。そのために、大学にはどのような役割が求められているのかを考え、より質の高い教育や研究を進めていきます。また、AIが急速に進歩し、人々の生活のみならず保健、医療、福祉領域の仕事に大きな影響を与えていることから、デジタルリテラシーを身につけた人材養成にも取り組んでまいります。
 最後になりますが、これまでの50年、本学の発展に向けて貢献された教職員、学生とご家族の皆様に加え、ご支援くださいました当別町をはじめ、行政、医療機関、社会福祉施設、企業、そして高等学校等の教育機関など、本学に関わっていただいたすべての方々に心より感謝の意を表します。
 今後とも教育や研究の成果を地域社会に還元し、貢献できるよう、教職員一丸となって取り組んでまいります。引き続き皆さまのお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

各学部長・
歯科衛生士専門学校長ご挨拶

北海道医療大学
薬学部長

浜上 尚也

 大学の創設と同時に薬学部が開設され、6,472名(2024年3月現在)の同窓生が全国で活躍しております。多くの同窓生が、医療現場をはじめ関係の職場で、保健医療の業務に従事していただいていることは嬉しい限りです。開学からしばらくは、北海道外からの在校生も多く、全国至る所で同窓生が活躍しております。
 大きく変革を遂げたのは、薬学6年制の導入です。これまでの薬学教育に加え、臨床教育、薬剤師教育を重視したカリキュラムへと大きく変化しました。今年で6年制教育は、19年目を迎えます。薬学共用試験の導入もあり大学もカリキュラムに対応したシステムの構築などに尽力いたしました。同時に臨床で活躍する薬剤師の方々に実務家教員として加わっていただきました。また、実務実習でお世話になる薬剤師の先生方には、本学の同窓生も大勢いらして、熱心なご指導をいただいております。実際に、本学の卒業生から実務実習の学生に指導いただけることを思いますと、さらに本学の歴史の長さを感じます。現在は、4年生より研究室配属となり、主に5年生で実施される薬学総合研究(卒業研究)では、学生は教員のサポートのもと卒業論文作成に取り組んでおります。また学生の学力向上を目的とし薬学教育支援室を開設しました。支援室には、専属の教員がおり学生のニーズに直ぐに対応できる体制をとっております。支援室内の自習スペースを自由に利用でき、学生の学力向上に大きく貢献しております。
 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)は、薬剤師に求められる10の資質と関連性を持たせ、薬学教育と将来思い描く薬剤師像とが一致するような教育方針としております。薬剤師に向けての生涯学習においては、本学薬剤師支援センターが企画する研修プログラムにより最新の知識と技能を習得することができ、本学の研修認定薬剤師の認定数も徐々に増加しております。
 研究・教育をさらに遂行させるために、研究室を大講座として組織いたしました。名称が変更になった研究室もありますので、卒業生にとっては戸惑いがあるかもしれません。しかし、大きく変わることなく研究室の歴史はしっかりと受け継がれております。
 本学の学生には、薬学教育6年間で、知識・技能の修得だけではなく、できるだけ多くの経験によりいろいろな感性を高めてほしいと考えています。このことが、社会に貢献できる医療人となる一歩であると確信しております。開学当時から変わらないのが、教員と学生の距離の近さです。担任制度や研究室配属による在学生の学修の向上や同窓生との繋がりを確たるものにしております。昨今、薬剤師の偏在化が問題となっておりますので、地域医療を担う薬剤師の育成にもしっかりと取り組んで行きます。
 これからも、ご支援ならびにご指導をどうぞよろしくお願いいたします。


北海道医療大学
歯学部長

古市 保志

 北海道医療大学歯学部歯学科は、1978年に東日本学園大学歯学部歯学科として1974年開設の薬学部薬学科に続く2番目の学部学科として開設され、今年2024年は第1期生が卒業して40周年の年にあたります。その間、1984年に附属歯科衛生士専門学校が開設され、1994年には大学の名称変更に伴い現学科名に変更されました。開設以来、日本各地から学生が入学し、地域医療に貢献する歯科医師の育成を行ってきました。2023年度末までに総数3,481名の卒業生を送り出し3,410名(98.0%)の卒業生が歯科医師免許を取得し全国各地で活躍しています。
 また、研究活動による社会貢献及び附属診療施設における診療等の地域医療活動にも積極的に取り組んできました。設立当初、本学は薬剤師と歯科医師の育成を目的としていましたが、その後の大学名改名以降、多職種連携医療に係る教育とその展開を目的として、看護福祉学部、心理科学部、リハビリテーション科学部、医療技術学部が開設されました。歯学科でも他学科教員による多職種連携医療に係る系統講義だけではなく、多職種連携入門(1年次)では他学科や専門学校の学生と共に臨床事例について少人数で意見交換を行うグループ演習、高学年の多職種連携実践演習(選択科目)では学生が道内各地に出向いて地域医療や福祉の現場を学ぶ実践型演習が行われています。
 また、臨床実習では、大学病院および歯科クリニック(旧歯学部附属病院)での自験実習の実践のみならず、年間6,000~7,000件の診療実績を有する歯科訪問診療へも学生が同行しており、超高齢社会に対応できる歯科医師の育成に力を入れています。その一方、自由選択科目である歯科医学研究を2年から5年次に開講し、研究に興味のある学生に対して早期の研究マインドの醸成を目指しています。それらの学生は、毎年、様々な学会等にも積極的に参加し、表彰を受けるなど優秀な成果を収めています。さらに、本歯学科では、海外の多くの大学とも国際交流連携協定を締結し、アジアやヨーロッパの提携校とで1~2週間の臨床研修・臨床実習に学生の派遣と学生の受け入れを行っています。
 このように本学歯学部歯学科では、長年に渡り、優れた知識・態度・技能を有し地域に貢献できる歯科医師を育成することのみならず、研究マインドを有する歯科医師および国際的に活躍できる歯科医師の育成にも精力的に取り組んできています。
 これからの50年は、これまでの様々な活動を継承しつつ、多様化する社会情勢の変化に呼応しながら個人および集団の健康と福祉の保全に貢献できる歯科医師を育成するとともに、研究および臨床活動を通して社会に貢献できる歯学部歯学科であることを目指します。


北海道医療大学
看護福祉学部長

山田 律子

 創立50周年という記念すべき節目の年に、本学部創設から現在までの歩みと、未来への展望を寄稿させていただくことを光栄に存じます。
 本学部は1993年、中島紀惠子・初代学部長のもと、看護と福祉の連携・統合を目指す創造的な教育を推進し、総合的なヒューマンケアを担う専門職業人の養成を目的に、全国初の「看護福祉学部」として開設されました。学部が完成年次を迎えた1993年には大学院看護福祉学研究科修士課程、1999年に博士課程を開設、2003年には学部学会を設立し、翌年に学会誌発行と、学問発展の基盤を充実させました。その後、専門性と実践力の向上を重視して、当別町民のご協力のもとにSP(模擬患者)を導入した演習や、OSCE(客観的臨床能力試験)をいち早く取り入れました。また大学院修士課程での高度実践コースの設置、認定看護師研修センターの開設によって、数多くの実践家を輩出してきています。周知の如く、本学部・研究科における臨地実習は非常に重要です。この機会をご提供いただいている実習施設の皆様に、心から感謝申し上げます。
 時代に応じたカリキュラムの改定は不可欠です。直近の看護学科における新カリキュラムでは、多様な場で暮らす人々にシームレスな質の高い看護を提供できるように、1年次から地域へ出向く「人々の暮らしを理解する実習」や、将来の目標を持って主体的に学ぶ「キャリア開発論」などを開講しました。福祉マネジメント学科では、ヒューマンケアのリーダー養成に資する科目群として「コーチング論」「マーケティング論」「プロジェクト研究」などを配置し、国家資格である社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士の取得と、認定資格であるスクールソーシャルワーカー、高等学校教諭一種(公民/福祉)、特別支援学校教諭一種(知的障害者、肢体不自由者、病弱者)、初級パラスポーツ指導員資格の取得を可能とするカリキュラムを整備しました。さらに、カナダ・アルバータ大学語学研修、台湾・台北医学大学との交換留学による国際交流など、グローバルな視野を養成する教育を推進しています。
 Society5.0においては、情報技術やAIなどの先端技術を活用して、人々の生活や社会インフラを持続可能なものに変革することが重要視されています。本学部もこれまでにない新たな価値を生み出す専門職業人教育を目指します。今後も、学生一人ひとりの夢と志を大切に、可能性を最大限に引き出し、革新的な教育を提供し続けていく所存です。
 皆様の継続的なご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。


北海道医療大学
心理科学部長

冨家 直明

 心理科学部は平成5年に開設された本学看護福祉学部の中に1つの専攻としてスタートしたことから始まりました。その後、平成14年に心理科学部として独立し、あいの里キャンパスに移転。当初は言語聴覚療法学科と臨床心理学科の1学部2学科体制でしたが、言語聴覚療法学科がリハビリテーション科学部に再編され、臨床心理学科のみの1学部1学科体制になりました。そして、平成27年、学部組織は大学院組織と分離して当別キャンパスに再度移転し、現在に至ります。臨床心理学科と心理科学研究科を合わせると、学部1年から大学院博士課程3年までの合計9学年に、346名の学生が学ぶ道内最大級の心理学教育機関であります。卒業生の多くは企業や役所、福祉施設などで活躍する一方、大学院に進学して職業カウンセラーを目指す人もたくさんいます。その大学院では、当初は臨床心理士の養成を行っておりましたが、令和元年に公認心理師が国家資格化されると、公認心理師養成に特化することにいたしました。
 メタモルフォーゼとなったひとつの転機は、平成19年に文部科学省による「組織的な大学院教育改革推進プログラム」(通称、大学院GP)に採択されたことです。徹底的に教育内容の点検・評価を行い、カリキュラムを大幅にチューンナップいたしました。まず根拠に基づく医療の実践者を養成するために、科学者-実践家モデルの教育理念を掲げることにしました。基礎から応用までの幅広い学修内容を網羅するとともに、人を支援する多様な理論と技法を包括した教育課程を編成いたしました。まだ公認心理師制度が誕生する前のことでありましたが、時代に先駆けて公認心理師カリキュラムの原型を用意したわけであります。加えて、北海道という土地を徹底的に大切にしようとしました。標準的な臨床心理学の理論と手技を学ぶことを目標とするのではなく、北海道の地域で活躍できる、必要とされる人材を養成することが目標であるとの考えから、道内自治体との連携協定の締結などを通じて地域課題の学習機会を充実させた地域連携科目の新設や遠隔カウンセリングへの挑戦を行いました。また、公認心理師として求められる業を適切に実践できる能力に到達しているかどうかを検証する質保証の方法として、地域で活躍する臨床家を招いたOCSEを導入しました。カウンセラー養成教育では日本初の試みであります。
 これらの教育カリキュラムは職業カウンセラーになる、ならないに関わらず、人々の心を支える有益な人材を社会に送り出すことに貢献いたします。なお、公認心理師国家試験は、制度開設以来、合計7回実施されましたが、本学修了生の合格率は97.6%と非常に高い合格率を維持し、これまでに83名の公認心理師を輩出することができました。これまでも、そしてこれからも「地域で必要とされる人材」の養成に努力して参りたいと思います。


北海道医療大学
リハビリテーション
科学部長

小島 悟

 学園創立50周年を迎えるにあたり、本学園をこれまで支えてくださった多くの方々に心から感謝申し上げます。リハビリテーション科学部は、北海道医療大学の5番目の学部として、平成25年に理学療法学科と作業療法学科の2学科で開設しました。平成27年には言語聴覚療法学科を心理科学部から改組して3学科体制とし、リハビリテーションの中心的な役割を果たす理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3職種を養成する北海道では唯一の、そして全国的にみても数少ない学部に発展しました。また、学部開設とともに大学院も設置し、より高度なリハビリテーションを実践・追究できる人材育成を同時に進めてきました。
 私は、新学部設置準備室の設置時に本学に着任し、学部開設の準備に携わりました。学部の開設にあたっては、“リハビリテーションを通して地域住民の健康増進とQOLの向上に貢献できる医療人を養成する”を教育の旗印とし、医療系総合大学としての強みを活かし、保健・医療・福祉に関する幅の広い専門性を深める教育、学部学科の枠を超えた多職種連携教育、地域の健康課題に実践的に取り組む地域連携教育を特色としたカリキュラムを編成しました。また、カリキュラムの特色のみならず、教員研究室に隣接した学修のオープンスペースを設けて、学生の学修支援を推し進める環境を整備しました。さらに教員組織に関しては、教育に対して熱い想いを持ち、多様な専門性を有する教員諸氏で構成しました。学部開設から早いもので11年が経ち、理学療法学科・作業療法学科は8期生、言語聴覚療法学科は6期生までを輩出してきました。卒業生は全国各地の様々な分野で活躍し、多くの医療機関や施設の皆様から本学の教育に対して高い評価を得られるようになりました。これは、教員一同がそれぞれの教育に対する想いを共有し、本学が掲げる「学生中心の教育」にベクトルの向きを合わせて取り組んできた成果であると実感しています。
 昨今、リハビリテーション専門職の職域は拡がり、期待される役割も多様化しています。リハビリテーション科学部では、新たな時代の要請を踏まえて、実効性のあるカリキュラムに向けた見直しを現在進めています。これからも教育の質をさらに高め、教職員が一丸となって社会のニーズに応えられる医療人を養成していけるよう邁進してまいります。学内外の皆様には、今後ともご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


北海道医療大学
医療技術学部長

幸村 近

 医療技術学部は2019年に定員60名で開設した本学で最も新しい学部です。そして、学部内の単一の学科である臨床検査学科は、医療に関わる仕事の中で欠かすことのできないピースである臨床検査を生業とする臨床検査技師を養成する学科です。開設当時は日本臨床検査学教育協議会の88番目の加盟校でした。全国の臨床検査技師養成校が所属するこの協議会は現在103校まで数が増えており、競争が激しくなっている中で、私たちは良いスタートを切って好位置をキープしています。
 2023年3月、1期生である初の卒業生は56名で、国家試験合格率96.4%(新卒の全国合格率89.5%)でした。ついで4月に大学院修士課程(医療技術科学研究科 臨床検査学専攻)を開設し、3名の大学院生を受け入れました。2024年の2期生の卒業生は61名で、国家試験合格率98.4%(同88.0%)でした。両年とも北大を含む道内の5校では最高の合格率でした。また、大学院進学を除く国家試験合格者の就職率は100%です。この春に6期生を迎え、累積の入学生は424名(定員比1.18倍)で、現在の在籍学生は279名(定員比1.16倍)です。札幌地区を中心とした全道に加え、東北地方からも毎年入学者が来ています。
 少し教員の紹介をしますと、保有する資格別には臨床検査技師が11名と最多で、このほかに医師・歯科医師がおり、学会や職能団体などの会長や理事を務めている者もいます。それぞれが幅広い領域にまたがる臨床検査学のなかで専門領域を持って教育、研究に従事しています。これまでの立ち上げの時期は教育を最優先にしてきたので研究成果としてはまだ十分とは言えませんが、今年、スウェーデンのイエテボリ大学との間で始まり今後拡大が見込まれる国際交流も追い風にして、ますます発展させて行きたいと思っています。
 医療技術学部は、今年創立50周年を迎える北海道医療大学の伝統を創ってくださった先輩達に敬意を表します。それは一つの区切りとして、私たち末っ子はまだ5年の歴史しかない学部ですが、自分のなすべきことを着実に行なうことで医療大の新しい伝統を築いていきたいと思います。私たちの学部は力を合わせ、未来の医療技術を担う人材を育成します。そして、本学部のさらなる発展と社会への貢献に努めてまいります。今後とも、本学部へのご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。


北海道医療大学
歯学部附属
歯科衛生士専門学校長

齊藤 正人

 北海道医療大学歯学部附属歯科衛生士専門学校は、学校法人東日本学園大学設立の10年後にあたる1984年に開設され、今年で開校40周年になります。2010年からは、それまでの2年制から3年制の専門学校に移行し、これまでに2年制と3年制を併せて1631名の卒業生を世に送り、そのうち99%は歯科衛生士の国家資格を取得しています。
 卒業生は全国各地の歯科医院をはじめ、北海道内の保健所、総合病院、介護施設、そして一般企業などで活躍しており、結婚等を機に一度退職された場合も再度歯科衛生士として復職する方も増えており、国家資格という重さと歯科衛生士のニーズの高さをますます感じております。
 ここ数年、急激な少子化と4年制大学希望者の増加により、短期大学や専門学校への入学者は年々減少しています。本校が開設された1984年には札幌に3校、小樽に1校の歯科衛生士養成校がありましたが、その後この地域に4校が新たに開設され、そのあおりで2校が閉鎖しました。現在、当別町にある本校を含め札幌、小樽に7校の学校があり、全道では11校の歯科衛生士養成校が入学者確保にしのぎを削っています。北海道の歯科衛生士養成校入学者はこの10年で100名も減少しており、多くの場で歯科衛生士を欲している状況にもかかわらず、歯科衛生士数が減少している状況をなんとか打開すべく、本校においても様々な施策を検討し講じております。
 最近では、同窓会推薦や早期出願など入学金の減免制度を取り入れたほか、在学生へはビューティープログラムとして、メイク講座、マナー講習を取り入れ、さらに、リラックスヨガ講座は学生に大人気となっています。歯のホワイトニングに特化した講義や、フリーランスの歯科衛生士を特別講師に迎え、歯科衛生士の現状や多様な働き方を知ってもらうことなど様々な取り組みを行っています。
 また、大学歯学部附属の専門学校であることを活かして、毎年、スウェーデン・イエテボリ大学歯科衛生科や台湾・台北医学大学口腔衛生学科からの短期留学生が在学生と一緒に学ぶプログラムを実施していることや、台湾や中国からの留学生が入学するなど、他の学校では学び得ない貴重な体験ができることは本校の一番の特色です。
 今後は各専門科認定衛生士の講義や、病院歯科や病棟での実習を増やし、本校ならではのスペシャルな歯科衛生士の養成に邁進していきます。これからの学園の発展とともに、歯学部附属歯科衛生士専門学校も新たな価値観を持つ歯科衛生士を社会に輩出していきたいと考えております。