
◆ 3次元構造のフォトニック結晶による量子情報処理デバイス
A02: |
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Spontaneous emission near the edge of a photonic band gap
Sajeev John and Tran Quang, Phys. Rev. A, vol. 50, no. 2,
pp. 1764 - 1769 (Aug. 1994)
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ー 題目 |
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フォトニックバンドギャップ端近傍における自然放射
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ー 概要 |
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<<全体を通して>>
フォトニック結晶中に埋めこまれた原子からの自然放射を扱った研究の先駆的な論文だと思います.
<<論文で得られている結果>>
この論文では,フォトニック結晶中に埋めこまれた2準位原子の共鳴周波数がPBGのエッジ近傍にあるとき,励起状態の原子分布(原子を励起状態に発見する確率)が振動することが理論的に示されています.振動は一定の時間が経過すると減衰して,長時間極限においては,励起状態には非ゼロの定常的な原子分布が形成されます.これは光子-原子の束縛状態が形成されることを意味します.また,3準位原子が埋め込まれた場合の励起状態の原子分布とスペクトルも計算されています.スペクトルはラビ分裂による2つのピークが形成されます.このうち,1つはPBGの内部に形成されて,もう1つはPBGの外部に形成されます.前者は鋭い形状を持ち後者は緩やかな形状を持ちますが,各々,原子の近傍の局在する局所場と原子から離れる伝播場を表します.
<<計算手法>>
この論文で用いられている計算手法は,シュレディンガー方程式をラプラス変換により解くものです.ラプラス変換された方程式を,更に,逆ラプラス変換して,その結果得られる微積分連立方程式を解析的に解いています.この論文に引き続き,多くの論文が同様の手順で自然放射(励起状態の原子分布)を計算しています.
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ー キーワード |
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減衰振動原子分布,束縛状態,減衰しない定常的な励起状態の形成,ラビ分裂
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ー URL |
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==>Physical Review
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ー Mathematicaによる数値計算 |
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論文の手法に従って論文に記載されているグラフなどをプロットするプログラムを作ってみましたのでご参考にしていただけますと幸いです.使用したMathematicaのファイル(*.nb)もこちらからダウンロードできます |
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