2007年3月29日、さらなる医療の発展に貢献するため、公立大学である札幌医科大学と教育・学術研究・地域貢献に関する連携協定を結びました。医学部、看護学科、理学療法学科、作業療法学科を擁する札幌医科大学との連携で、医療を取り巻くほぼすべての学問分野が整うことになります。両大学で協力し合いながら、優れた医療の担い手の育成に努めていくのが大きな目標です。

2007年3月、本学の札幌サテライトキャンパスで行われた調印式の様子。札幌医科大学今井学長(左)と本学松田学長(右)
連携協定合意文書の内容
札幌医科大学と北海道医療大学は、医療系大学としての教育・研究・医療実践の実績を基盤に、保健と医療と福祉を統合的に捉えることのできる新たな時代に対応する質の高い医療人教育、医療科学分野における学術・研究の進展、社会が求める充実した医療サービス・各種情報の提供などを通じて、「地域社会に貢献する医療人の育成」を目的としてここに連携協定を締結する。
【提携の内容】
1. 学生の教育・交流
2. 教員の学術研究相互協力
3. 地域社会への貢献
4. その他両大学が必要と認める事項

 医学部、保健医療学部を擁する札幌医科大学との連携で、医療を取り巻くほぼすべての学問分野が整うことになります。教育面では、全学部学科において、「チーム医療」を基本とする実習の幅を拡げていきます。また、両大学の学生同士の積極的な交流を促進し、共同でのプロジェクト研究や、単位互換も視野に入れていきます。さらに、中高生の入学前教育や、卒後教育にも力を入れ、優れた医療の担い手の育成に努めていきます。

 医学・歯学・薬学の複合的な連携を推進する一方、医療を取り巻く基礎研究と、臨床分野との連携を重視した共同研究を行っていきます。また、看護、臨床福祉、臨床心理、理学療法、作業療法、言語聴覚療法の各分野でも相互連携を試み、これからの医療ニーズに即した実践的研究に取り組んでいきます。
 研究支援としては、訪問研究員制度を活用し、両大学が擁する研究施設で人的交流を行うほか、医療ニーズに即した研究を推進していきます。

 医療の地域格差をはじめ、地方への医師派遣、市町村住民の健康づくり支援など、医療や福祉に対するニーズは大きなものがあります。
 両大学が共同で行う公開講座の開催や、地域における健康づくり活動、医療人セミナー等を通して、健康の維持・管理のための啓発活動を積極的に行っていきます。また、行政との連携も視野に入れ、保健医療分野での政策支援等を通して、地域社会への還元を目標に活動していきます。

学長あいさつ

学 長 松田 一郎 写真
 2007年3月29日、本学は札幌医科大学との教育、研究面での連携をめざし、今井浩三札幌医科大学学長と私、松田一郎による連携協定書の調印式を行ないました。振り返ってみますと、札幌医科大学の大野精七初代学長は、その後、本学初代学長になられた経緯があり、さらには堂垣内尚弘北海道知事、ついで寺田一壽男北海道副知事が本学の理事長を歴任されたことなど、公立、私立の違いはありますが、両校にはこれまで密接な歴史がありました。また、本学の校歌が札幌医科大学河邨文一郎名誉教授によることも見逃せないでしょう。
 両大学連携の動きは、昨年11月本学廣重力理事長からの働きかけがきっかけで始まりました。本年4月から独立法人として出発することが既定されていた札幌医科大学は、この連携をその活動の一環と位置づけて、前向きに対応してくださいました。2月21日行なわれた両大学のこの問題をテーマにした懇談会には、札幌医科大学からは、塚本泰司教授、宮本篤教授、稲葉佳江教授、武田秀勝教授、小塚直樹教授、辻泰弘企画課長、石丸幸夫企画係長、一瀬信敏産学官連携コーディネーター、また本学からは、黒澤隆夫教授、和田啓爾教授、千葉逸朗教授、阿保順子教授、野川道子教授、花岡真佐子教授、坂野雄二教授、及川恒之教授、栗田寛事務局長、鈴木潔事務局次長、古林琢子教育研究振興課員が出席して活発な意見交換がなされました。そこでの様々な提言を基にして連携協定が結ばれました。互いに補完しあい、地域に密着した医療教育共同体を創る、それが私どもの願いです。既に、この連携協定に基づいて、がんプロジェクトなど具体的な計画が立てられ、実現されようとしています。いずれ、それらについてもこの欄で皆様に紹介できる日が来ることを楽しみにしています。