地域がん医療連携の推進を担う薬剤師養成コース 第11回がん薬物療法研究討論会

 令和4年2月26日(土)12時55分から文部科学省選定 多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン2021年度 地域がん医療連携の推進を担う薬剤師養成コース「第11回がん薬物療法研究討論会」を開催しました。
 今回の開催は、Zoomによるオンライン開催となり、北海道病院薬剤師会に共催いただきました。一般演題として、今年度開催された第31回日本医療薬学会年会において発表されたがん薬物療法に関する研究内容を紹介していただきました。緩和ケアにおけるオピオイド投与量変更調査やインフュージョンリアクション対策としての投与薬剤の順番変更、予測される有害事象への対応、検査値の変動から副作用発現や栄養状態の評価への応用など、薬剤師が臨床現場において感じる疑問に対して積極的に関り、患者に適したより良いがん薬物療法を行うための検討報告が多くありました。
 特別講演では、北海道大学病院薬剤部 齋藤 佳敬 氏より「がん治療における薬物治療管理を評価する〜より良い治療提供のために〜」と題してご講演をいただきました。薬剤師業務の進展に向けて、環境整備の重要性や多職種との連携や相互理解、患者との信頼関係を構築し、それらの関わりを通して薬剤師による臨床業務や臨床研究への発展に繋げていくプロセスについて、継続中の研究も含めこれまで取り組まれた臨床研究をわかりやすく紹介していただきました。日々忙しい薬剤師業務の中でいかにして疑問点を見出し、検証し、評価するか、患者や他の医療職に薬剤師業務を理解してもらうためにも、臨床業務と臨床研究は重要であることが強調されていました。また患者から様々なことを教えてもらうことが多く、患者へのアプローチ法の変化、知識、信頼、判断が適切にできるようになることが重要であるとのことでした。
 がん薬物療法に限らず薬剤師の役割は益々重要になると考えられます。今回の討論会も前回と同様に大変参考になる内容であり、全国から多くの薬剤師にご参加いただきました。臨床現場における薬剤師教育の一助となることと思います。今後もこのような企画を継続実施していきたいと考えています。


~アンケートより~
  • 他施設の先生方の研究内容やその取り組み方、業務の運用方法などを知ることができ、自施設でも応用できそうな工夫を見つけることができた。
  • 研究発表を行いたいと思っていますが実際にどう取り組めばよいか具体的な方法がわからなかったので、今回の講演会で学ぶことができ非常に勉強になりました。
  • オンラインでの開催であったため、会参加の規制を職場から受けることもなく参加でき、大変有意義な時間を過ごすことができた。