地域がん医療連携の推進を担う薬剤師養成コース 臨床がん医療講座

 2022年1月18日(火)、第1回臨床がん医療講座を、ZOOMを用いたオンライン形式で行いました。製鉄記念室蘭病院 薬剤部 主任 杉浦 央(すぎうら あきら)先生を講師にお招きし、「がん薬薬連携の実践」というタイトルで講演いただきました。
 はじめに、外来患者への病院薬剤師の取り組みに関して講演いただきました。保険薬局への情報提供の工夫として、病院薬剤師の指導内容を記載した薬剤情報連絡書の作成、さらにお薬手帳へレジメン名、副作用Gradeを記載することで、がん患者の継続的なフォローアップが行いやすいよう工夫されていました。また看護師と共同して、分子標的薬の皮膚障害管理を行うなど、積極的な介入方法についてもお話しいただきました。
 次に、がん診療病院連携研修認定病院としての施設の取り組みについてご紹介いただきました。昨今、専門医療機関連携薬局の取得に向けた専門薬剤師の養成が求められています。製鉄記念室蘭病院では、30日間のがん研修として、保険薬局薬剤師を受け入れた経験についてお話いただきました。薬薬連携の強化に向け、病院薬剤師-保険薬局薬剤師、双方向にとって意義のある研修であったとお話しいただきました。
 道内を中心に、80名の受講者にご参加いただきました。薬薬連携を中心とした質問を多数いただき、充実した講演会となりました。


~アンケートより~
  • がん患者の治療を行うにあたり、病院薬剤師のみならず薬局薬剤師も抗がん剤の知識や副作用に対する対応が必要であることを理解することができた。
  • 連携する際の実際の運用や保険薬局が病院側に欲している情報など、今後に活かせる内容であった。
  • お薬手帳や、薬剤情報連絡書を有効に活用し、連携充実加算要件の対応をおこなっていることが勉強になった。
  • 病院と保険薬局の双方向のフィードバックの必要性を認識できた。