市民公開講座

 今年度は、薬学と看護との共同制作により市民公開講座「がんに関する情報収集と活用のポイント」と題して動画編集を行い、2022(令和4)年1月11日に、北海道医療大学YouTube公式チャンネルより配信を開始いたしました。

~ピア・サポーターの立場から~

 看護からは、独立行政法人国立病院機構北海道がんセンターがん総合相談支援センターにおいてピアサポーターとして日頃がん患者・家族の支援をされている、松本洋子さん、滝澤ひとみさんに、経験者の立場からがんに関する情報収集のポイントや注意点についてお話いただき、収録いたしました。お二人の経験談を交えたやり取りを通した、誰もが悩むがん関連情報の活用に関する具体的なお話ですので、3月時点でアクセス数はまだ200回弱ですが、今後もニーズのある方々に継続的に閲覧されていくものとなると思います。
 がんの療養は身体のみならず心理社会的にも影響を受け、療養における情報収集は個人の置かれる生活状況に合わせて自分に合う情報を得る必要性があります。今後も、症状マネジメントや療養法など、がんをもって生きるためのリソースを身につけるための情報配信を継続してまいります。

~薬剤師の立場から~

 市民の皆様にがん薬物療法について、専門薬剤師としてサポートできることをわかりやすく講演をいただきました。本来でありましたら、がん当事者の方にお話をいただき、関連する知識や疑問点などを抽出して専門薬剤師からの講演をいただく予定でしたが、コロナ禍の状況であることから、You Tube配信で実施することといたしました。特に、今回は情報収集の方法、情報の解釈について要点をおいていただきました。情報化社会において正しい情報を得ることは、患者様にとっても正しい治療を受けるうえで重要です。しかし、自身ががんとわかったときに正しい判断ができるかを考えると少し疑問も残ります。また、がん治療にはしっかりとしたエビデンスがあります。まずは情報の信頼性について正しく判断をしなくてはなりません。講演の中では、がん関連する各種ホームページの信頼性についても具体的に教えていただき、さらに実際の活用法についても示していただきました。治験という言葉を耳にしている方も少なくないことから、治験とは何であるか、参加の仕方やその注意点についてもわかりやすく説明いただきました。専門薬剤師の対場からこれまでの経験を活かし、患者様に正しい勉強をしていただくためのツールを紹介していただき、患者様の視点に立ったがん治療について、知識を深めることの一助が提供きたものと考えております。