がん看護コース 緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業

 令和3年9月23日(木・祝)13時より、北海道医療大学・北海道専門看護師の会共催のもと「OCNSの役割開発」をテーマとした事例検討会をオンラインで行いました。事例提供者は、市立札幌病院のがん看護専門看護師・渡部有希さんでした。参加者は、保健医療機関・教育機関・大学院生など15名が参加しました。
 がん看護専門看護師となった渡部さんは、がん看護実践を通して医師・看護師・他職種等との信頼関係を築くとともに、看護の方向性を一緒に考える相談相手として定着することから役割開発を始めていきました。そして、看護研究の相談や、乳腺外科患者の症状緩和や不安軽減を目的とした相談支援へと役割を拡大していきました。また、新型コロナウイルス感染症によって病院機能が変化するなか、組織から期待される役割が変化する状況もありました。がん領域に留まらず、専門看護師という立場から倫理調整やケア調整・新型コロナウイルス病棟における看取りの研修会を行いながら役割を広げていったプロセスをご紹介くださいました。
 事例検討では、「がん患者のQOL向上のための調整」をテーマに、グループディスカッションを行いました。主治医・看護師などの多職種それぞれが患者の最善を思うにも関わらず、ケアの方向性が定まらずにそれぞれの思いが対立し、ジレンマを感じる状況に対して、倫理的視点を含めたケア調整・看護チームへの支援をテーマに話し合いました。病状に関する職種間での共通認識の必要性、その人らしく生きることの意味への理解、患者にとってより安楽な看護ケアを検討しあえる職場風土の在り方、医療チーム全体を多角的に捉えて方略を検討することなど、たくさんの学びを得ることができる機会となりました。


~アンケートより~
  • 一つ一つの実践の積み重ねが組織の中での役割開発につながると最近実感しています。それが共有できる良い検討会だったと思います。
  • 緩和ケアチームに配属になったばかりのため、病棟での活動を知り、考える良い機会となりました。
  • 私自身CNSとしてどのように活動していけばよいか、役割開発も難しいと漠然と考えておりました。コロナ禍でなかなか相談する機会もありませんが、今回の事例検討会でヒントを貰うことができたと思っています。