がん看護コース研修
緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業
(OCNS事例検討会)

 平成30年10月6日(土)15:00からACU小研修室(1212)において、文部科学省選定多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業による事例検討会が、北海道専門看護師の会共催のもと開催されました。
 今回のテーマは「がんゲノム医療を希望する患者に対する意思決定支援」で、19名が参加しました。札幌医科大学附属病院がん看護専門看護師の小野聡子さんより事例を提供していただき、アドバイザーとして講演会に引き続き、慶應義塾大学看護医療学部教授武田祐子先生にもご参加いただきました。
 グループワークでは、がん遺伝子検査を受けた終末期の患者さんの事例を通し、がん遺伝子検査の結果に期待し続けている患者に、その可能性を否定せずに緩和ケア中心の医療に向けていくことは、倫理的に問題はなかったのだろうか、今後がんゲノム医療に関わる看護師として、どのような支援を行うことが必要なのかについてディスカッションしました。がん遺伝子検査の目的は、ゲノム情報に基づいた薬物療法を提供することにありますが、それが提供できる体制や病状ではないときがあります。それでもがん治療を受け続けることに期待を持つ患者さんに対し、その価値観を尊重できるように配慮した支援が大切であること、そのためにもがんゲノム医療を理解する必要があることがわかりました。
 がんゲノム医療の進歩は目覚ましく、近い将来にはがん遺伝子検査が診療にさらに活用されるようになります。多くの参加者から事例検討が今後の活動に役立ったとの感想があったことからも、がんゲノム医療に必要な看護を考える機会となりました。
会場写真 会場写真

〜アンケートより〜
  • ゲノム医療については、あまり関わりがないように感じていましたが、ゲノム医療のセカンドオピニオンを受けたい患者家族と関わることがあるため、情報提供の仕方など自分の役割として考えることができました。
  • 遺伝について知り、治療によって希望をつなげた患者について考えられ、良かったです。
  • がんゲノム医療について、まだまだ知識不足だが、実際の事例を用いて、整理することで自分が今後関わるときに、どこに視点を持って活動すればよいのか、考えるきっかけになった。