がん看護コース研修
緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業
(OCNS事例検討会)

 文部科学省選定 多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン 緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業による事例検討会が、平成31年1月19日(土)に開催されました。
 今回のテーマは「高齢がん患者のがん治療~セルフケアを継続するための支援~」で、“北海道専門看護師の会”のがん看護領域と老年看護領域との共催で行われました。参加者はCNS、CNSコース大学院生合わせた23名でした。事例提供者は、医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 がん看護専門看護師 伊藤聖美さんでした。
 高齢がん患者のがん治療は、加齢に伴う心身機能の低下による苦痛だけでなく、生活基盤・サポート体制の脆弱さなどの社会・経済的問題、多様化する治療の選択に伴う苦悩など、多くの課題が生じます。伊藤さんから提供された事例も、老々介護、生活の脆弱性、核家族化などの背景を含む事例でした。グループワークでは「治療意欲は高いが対応力に限界が生じる可能性のある患者の、治療導入時からの包括的なアセスメントの視点と支援」について話し合いを行い、高齢者の生活史や症状体験、対処パターンや強みを知り関わることの重要性などについて活発な意見交換が行われました。また、短い限られた時間で治療の決定をする患者の場合、治療導入前・導入時の時点までに得られる情報には限りがあります。その人らしい日常生活を維持できるよう支援するには、治療経過の中で情報を補足しながら何度もアセスメントを繰り返し、個別に応じた丁寧なサポートを行うことが必要との意見もありました。参加者からは、老年CNSと共に考えることで高齢者への理解が深まり有意義な検討ができたとの意見が多くあり、学びの多い検討会となりました。
会場写真 会場写真

アンケートより
  • 高齢者のがん看護について、生活背景、家族歴について考えることの大切さについて学ぶことができた。
  • 老人CNS、急性期CNSなど、他分野とのディスカッションにより、視野を広げて思考を深めることができました。
  • 実際に外来治療室で勤務する中で、高齢患者へのセルフケア支援で悩むことも多かったため、今後の実践に生かせる内容だった。