がん看護コース研修
緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム研修会

 平成30年度がんプロッフェッショナル養成プランの第1回研修会は、10月6日に「がんゲノム医療と看護」と題し開催されました。
 近年、遺伝子解析技術が進歩し、がんゲノム医療では、原因となる遺伝子を特定して、より効果が高い治療薬を選択することが可能となり、患者一人一人にあった、個別化医療に繋がります。第3期がん対策推進基本計画における患者本位のがん医療の実現の項目には1番にがんゲノム医療が掲げられており、国としても力を入れていることがわかります。そこで今回は、遺伝看護に造詣の深い慶應義塾大学の武田祐子先生をお招きし、ご講演していただきました。
 武田先生は、長年にわたり遺伝看護について活動をされています。今回は、遺伝/ゲノム医療の現状と課題に焦点を絞り、現在の国の施策とがんゲノム医療について知識だけでなく、遺伝子パネル検査の現状などわかりやすくご説明していただきました。また、がんゲノム医療時代の到来とともに重要となってくる1つの視点として、家族性や遺伝性腫瘍診療が充実すると、患者だけでなく家族へどのような情報を誰に伝えるかなど、これまでにない新たな課題が生じるなどのお話もしていただきました。
 参加者は27名で、大学院生やがん看護専門看護師だけでなく、臨床の看護師や助産師の参加があり、半数以上の方に役に立ったとのアンケート結果がありました。役に立った理由としては、「ゲノム医療について理解を深めることができた」「難しいと思っていたが、自分にできること・やるべきことを考えることができた」などが挙がりました。それだけでなく、「メディア等で取り上げられるたびに、患者から問い合わせがあるため、支援や相談を行いたい」など、臨床現場でもゲノム医療の看護が必要とされている声がありました。
 今後は、さらにゲノム医療が発展し、看護師として求められる役割が大きくなることが予想されます。本研修会は、患者・家族が十分に納得して医療を受けられるために、医療者として必要な知識や新しい情報を学べた有意義な時間でした。
会場写真 会場写真

〜アンケートより〜
  • とても詳しく説明していただき、理解できたところが多かった。まずは現在の先端医療の全体を理解することが大事だと思った。
  • がんゲノムに関する知識は自分でも不十分だと思っていたが、今回の講義を受けて学ぶべき視点が明らかになってよかったです。
  • 今後ゲノム医療が進んでいく中で、どのように看護につなげていくか、考えさせられました。