がん看護コース研修
緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業
(OCNS事例検討会)

 平成29年11月18日(土)13:00からACU小研修室(1212)において、文部科学省選定 多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン 緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業による事例検討会が、北海道専門看護師の会共催のもと開催されました。
 今回のテーマは「AYA世代のがん患者が抱える問題と支援」で、参加者はCNS、CNSコース修了生、大学院生、看護師、教員の15名でした。札幌医科大学附属病院のがん看護専門看護師の佐藤さやかさんより、“大人に成長する過程の患者とその家族への関わり”として、青年者のがん患者と家族への関わり方と意思決定の支援に困難さを感じた事例を提供していただきました。アドバイザーとして、講演会に引き続き、国立がん研究センター 希少がんセンターの加藤陽子先生にもご参加いただきました。
 グループワークでは、①青年期で自己表出しない患者に思いを表出してもらうためのアプローチについて、②親主導で治療を決定してきた親に対して患者が自己決定できる大人であることを認識してもらうための関わりについて、以上の2つについて話し合いを行いました。
AYA世代の患者の特徴などを踏まえつつ、家族それぞれのアセスメントを行い、どのようなコミュニケーションが効果的であるのか、意見交換が深まりました。親として子供を守りたいという気持ちに寄り添いつつも、若年のAYA世代であっても、自身の病気のことを知り、今後について意思決定をしたいという気持ちを、看護師が親に橋渡しをすることで、患者の気持ちを共有できた事例であり、このように看護師が代弁者となることも重要な役割であるという意見がでました。加藤先生からは、先生が体験されたAYA世代との関わりから、どの年齢であっても、自身の病気について自分で考えたいという気持ちがあり、それをどのように支えるかが重要であるとご助言頂きました。また、患者だけではなく、家族に対しても、コミュニケーションを取りつつ、情報を共有することが大事であることもご助言頂き、事例検討を深めることができました。
会場写真 会場写真
会場写真

〜アンケートより〜
  • アプローチの視点を広げられました。またAYA世代の特徴、難しさに対する具体的なケアを学ぶことができた。
  • 臨床でAYA世代のがん患者に関わったことがなかったので、事例検討ができて、臨床でも活かしていけそうだと思った。
  • AYA世代の看護は非常に悩ましいことが多いため、アセスメントの視点や看護の視点が大変勉強になった。
  • 貴重な事例を提供して頂きありがとうございました。皆さんでいろいろな側面から考えられる事例検討だった。また、助言が納得できるものだった。