がん看護コース研修
緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業
(OCNS事例検討会)

 平成29年10月14日(土)13:00からACU小研修室(1212)において、文部科学省選定 多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン 緩和ケアアウトリーチナース養成プログラム学生支援事業による事例検討会が、北海道専門看護師の会共催のもと開催されました。
 今回のテーマは「高齢がん患者の意思決定支援」で、参加者はCNS、CNSコース修了生、大学院生、教員の10名でした。医療法人東札幌病院がん看護専門看護師の遠藤佳子さんより、認知症のある高齢がん患者と家族の代理意思決定支援について事例を提供していただきました。アドバイザーとして講演会に引き続き、筑波大学附属病院がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師の入江佳子先生にもご参加いただきました。
 グループワークでは、①認知症のある高齢がん患者の意思決定能力をどのようにアセスメントし、支援していくか ②家族が代理意思決定する場面において医療者がどのように支援していくかの2点を話し合いました。認知症のある患者の意思決定能力のアセスメントについては、これまでの患者の病気体験や健康に対する考え方、物事の決定の仕方など患者背景の理解に努めるとともに、日々の患者の様子や反応から意志表示できる能力をアセスメントし、質問の仕方や伝え方の工夫をしていくことで患者の意思決定を支えることができるとの意見がありました。家族の代理意思決定の支援では、家族だけの責任ではなく医療者も一緒に考えていく姿勢が大切であることなど活発な意見交換が行われました。入江先生からは、家族が代理意思決定をする場面において医療者は、「誰のことを決めているのか」が不明確になり、“患者”の意向ではなく“家族”の意向を訊ねてしまうことがあります。今、家族に決めてもらっているのは“患者”の意向であり「もし、本人だったら…」という視点で話し合っていくことが重要であると話してくださいました。また、元気だった頃の患者を想起しながら家族と医療者が一緒に話し合っていくプロセスこそが、家族への支援になるとアドバイスをいただきました。
会場写真 会場写真

〜アンケートより〜
  • ディスカッションに十分時間があり、自分一人で考える以上の視点から話し合えた。代理意思決定をささえる際の参考になった。
  • 日々高齢がん患者の意思決定支援に関わっているので、勉強になった。
  • 認知力を問わず、意思決定能力に必要なアセスメントの視点を習得できた。
  • 最近、認知症のがん患者が散見され、同じ様な事にある事があったので、勉強になった。