同窓生からのリレーエッセイ 福祉Vol.2

 氏名    三野 有紀  (みの なおき) 
 卒業    看護福祉学部 医療福祉学科 医療福祉専攻 1期
 ゼミ     志水  幸 ゼミ 
 現職    北海道十勝総合振興局 社会福祉課保護第3係 主任

平成93月に大学を卒業して間もなく15年が経とうとしているのですが、今回リレーエッセイの機会をいただき、改めてこれまでの自分を振り返るよい機会となったことを感謝しています。

 今までを思い返すと、あまり人に自慢できるような生活っぷりでは無く、なんだか恥ずかしくなってきます。
高校、浪人時代はまさに自由人で遊びほうけていましたが、何とか大学に入学でき、そこがまず一つ目の人生の転機だったのではないかと思います。多くの先生、友人、先輩、後輩と知り合い、楽しくの実のある生活を送れた大学4年間の生活が、今福祉に携わっている自分のベースを自然と作り上げてくれていたのかなと思っています。
とはいえ、大学生活4年間も自由人っぷりは全く変わってはいませんでしたが・・・

 平成94月に北海道に採用にされたことが二つ目の人生の転機だったと思います。
当時教務課の先生に、北海道職員の社会福祉専門枠での合格をなかなか信じてもらえなかったほどの自分でしたが、釧路児童相談所で相談員を4年、帯広児童相談所で児童心理司を10年と福祉の世界、特に児童福祉分野にどっぷりとつかった14年間の中で、またまたいろんな人たちに助けられながら成長できてきたかなと思っています。

自由人らしい自分なりのスタイルで、自分なりの信念の元、対象となる子どもたち、親たち、特に母親たち、日常的にその対象者を支えてくれている療育機関や公的機関の支援者たちとの日々の対話を通し、公的機関にいるからこそできるはずの自分自身の目的である「グレーゾーンの福祉」を実現させるべく頑張ってきたかなと思います。職種や立場、経験等によってとらえ方の違う「法の境目」の「グレーゾーン」をいかに対象者にとって不利益にならないよう運用するか。これがなかなか難しい。組織には組織の都合があり、それぞれの立場にはまたそれぞれの都合があり、その中でどう調整するか。特に児童心理司時代の10年間は、心理等の検査データを大きな根拠に、時に組織内でも疎まれながらも、最大限対象者の利益になるべくいろいろ無茶してたなと思います。それでも、対象となる親たちのみならず、周囲の関係機関からも、「担当が三野さんでよかった」と言ってもらえることが何よりうれしく、それを励みにやってこれたと思います。

現在就いている業務は生活保護のケースワーカーです。これまた、「法の境目」の「グレーゾーン」をどうとらえるかといった、自分なりの見方や判断が生きてくる仕事だと思っています。自分らしさを保ち、自分なりのスタイルを崩さず、ただ、もう少し周囲と協調することも覚えながら()頑張っていきたいです。



   忘年会で(右が三野さん)

20120315

                                                             ➔ 次回エッセイは…  佐々木 拓也 さんです。


                                                                                                                     

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