教育概要
作業療法概論(第1学年前期)
当講義では、リハビリテーション専門職として位置づけられている基本的な作業療法士の役割や、作業療法を理解するための初学者への入門的な知識を学びます。具体的な学びの内容とは、「作業」や「作業療法」の定義、歴史、作業療法士が求められる知識・技術・態度、主たる対象疾患や対象者そして、関連される法律や制度などがあります。
作業適用学演習(第2学年後期)
当演習では、前半(1~6回)は、作業療法における中核概念である「人の作業的側面」に関して深い理解を得るため、作業の定義や分類、作業的存在の理解、作業の影響力などに関することを、講義や演習(①グーループを用いた討論、②具体的な評価法(情報収集や分析結果・解釈)を実施ししながら、レポート作成)を通して学修します。後半(7~15回)は、アメリカ作業療法について歴史分析された文献を基に、作業療法の理念・哲学形成の過程や理論化への変遷に関して学びます。特に、「作業行動理論」や「人間作業モデル」を紹介して、学びを深めます。以上のことから、専門職としての同一性についても知ることができます。
老年期障害作業療法学Ⅰ(第3学年前期)
当講義では、老年期(高齢者)の方に対する生物学的側面・心理学側面・社会学的側面(併せて作業的側面)の特徴について理解を深めながら、作業療法の実践で用いられる基本的知識や技術について学修します。特に老化や障害に伴いがちな「その人らしさの減少」を再び引き出すための基本概念や評価法について、理解を深めるため、グループ討論を重視した授業形態を取ります。
老年期障害作業療法学Ⅱ(第3学年後期)
当科目では、①認知症高齢者への作業療法介入(評価計画や治療計画立案等)について演習を通して学修すること。②高齢者に用いられる作業療法の実践法(集団/場や遊び・レクリエーションの活用)について、基礎知識の学修や実技体験を通した有用性を学びます。
作業療法研究法(第3学年後期)
当講義では、作業療法に必要な基本的な研究の手法、発表の手法そして、研究倫理について学修します。
就業援助論(第3学年後期)
当講義では、障害者の「雇用」や「就労支援」に関する職業リハビリテーションの国際的理念・基準や日本の施策を踏まえ、作業療法士が関わる支援・援助の実際について学修します。
研究セミナーⅠ(第3学年通年)
当セミナーでは、主として“人の作業的側面の理解・探究”をテーマに生物・心理・社会的存在に関するトピックを、画像や文献を基に提供して討論を行いながら、所属ゼミ生の研究疑問生成への指導を行い、卒業論文の研究計画作成を促します。
研究セミナーⅡ(第4学年後期)
当セミナーでは、セミナーⅠから継続・展開される研究計画の遂行についての進捗を促し、卒業論文の作成指導を行います。
- 過去所属ゼミ生の卒業論文(2016~2021年度現在)
- 本学作業療法学科学生の興味と満足度に関する研究
- 自らが実感できる「意味ある作業」とは ~人間作業モデルを指標としたライフストリー研究~
- 治療的戦略の指標に基づく症例報告の検討 ~認知症をともなったクライアントに焦点をあてて~
- 大学生(作業療法学科)における主観的幸福感と価値の検討 ~4年生、1年生の探索的比較研究から~
- 生活行為向上マネジメントの開発過程と“意味ある作業”という概念に 関連された文献研究
- 自己効力感に焦点をあてた症例報告の文献研究
- 作業療法場面で必要な課題遂行に対する状況把握の弁別は可能か ~フロー理論の視点から~
- 臨床実習で作業療法学生がおかれている環境と生活認識の調査研究
- 日本人の幸福感に関する文献研究
- 実習担当事例の振り返り(実習指導者へのインタビュー)~質的分析とクリニカルリーズニング・治療的戦略に焦点を当てて~
- 本学作業療法学科生における価値のある作業と幸福に関する研究 ~作業の意味と幸福の構造からの検討~
- 作業療法学生が感じる臨床実習の楽しさに関する探索的な研究
- 価値ある作業と幸福に関する研究∼同学部他学科の学生を対象に~
- 2人の祖母の意味ある作業と自らへの影響に関する質的研究 ~ライフストリーや人間作業モデルを用いて~
- 応答的環境に対する目的や効果についての文献研究~システム論的な視点からの検討~
- 作業療法学科の学生を対象とした「手工芸に対する自己効力尺度」標準得点化の検討
- 作業療法の観点から遊びの仕事的側面への考察 ~文献レビューを通して~
- 自立と生きがい概念に対する作業の視点からの見た文献研究
- 価値ある作業と幸福に関する研究 ~(仮称)作業-幸福質問紙の自由記載(同学科学生)からの検討~
- 価値ある作業と幸福に関する研究~ (仮称)作業-幸福質問紙の自由記載(他学科学生)からの検討~
- 学生を対象とした新型コロナウイルスの影響下による生活環境の変化~作業に関する自己評価(環境)と自由記載からの比較検討~
- 学生を対象とした新型コロナウイルスの影響による生活様式とは~作業質問紙(OQ)を使用した生活認識の変化についての検討~
- 価値ある作業と幸福に関する研究~自由記述データ(ナラティブ分析)からの検討~
- 自立に焦点をあてた簡便な質問紙の作成
- 作業療法と「公正」概念に関する歴史研究-前パラダイム期から作業パラダイム期における文献を通して-
- 青年期における自立と生きがいに関する研究~自立に焦点を当てた質問紙の妥当性検討~
- 価値のある作業と幸福に関する研究~(仮称)作業-幸福質問紙の構成概念妥当性の検証~
- 認知症対象者への「治療的戦略」を指標にした文献検討