髙橋 祐輔

教育概要

臨床血液学実習(3年前期)

血液検査は、白血病や血友病などの各種血液疾患における診断、臨床経過や治療効果の把握などに重要である。本実習では、末梢血細胞数の検査、末梢血および骨髄における血球細胞の形態学的鑑別、凝固・線溶系検査などの、基本的な技術を修得する。これにより、臨床血液学Ⅰ・Ⅱで学習した基礎的知識をより発展させ、各血液疾患の病因・病態、およびその鑑別診断に有用な検査方法とその所見について、説明できることを目的とする。

免疫検査学実習(3年前期)

現在、臨床検査および研究分野では、抗原抗体反応を用いた免疫学的手法を応用し、様々な測定法が開発および使用されている。実際の臨床検査の現場では、自動分析による測定が主体となっているが、その背景にある原理や理論を理解していなければ、検査データを適切に解析することは不可能である。そのため、本実習では、古典的な免疫学的検査の基本、ならびに臨床検査で実際に行われている免疫学的検査法の原理や手技を習得することを目的とする。実習内容として、免疫沈降法、免疫電気泳動法、蛍光抗体法、およびELISA法などの手法を用いて、抗原特異的抗体価、血清蛋白、血清補体価の定量や、各種ウイルスや梅毒感染症診断における臨床検査マーカーなどの測定などを実施する。免疫検査学ⅠおよびⅡで習得した知識をもとに、実習を行う。

医療安全管理学演習(4年前期)

医療現場では、些細なミスやその重なりが過誤または事故に繋がる可能性がある。一方で、近年の法改正により、臨床検査技師の検体採取における業務内容が拡大した。臨床検査技師による検体採取は、質の高い検査精度の保証を担保する上で重要である一方で、医療事故が起こる可能性もある。本講義は、医療安全の歴史や現状から基本概念を学び、安全管理に必要な知識および技術の習得、さらに検体採取(採血を除く)に必要な知識と技術習得を目的とする。また、実習では、皮膚表在組織病変部からの検体採取、咽頭・鼻腔拭い液の採取、および鼻腔吸引液の採取を、学生間でおこない、採取者および患者両面の立場・気持ちを理解する。