江本 美穂

教育概要

基礎統計学(第1学年前期)

医療の現場における臨床例や実験などで得られるデータを、適切な統計的手法により処理する方法を身に付けることは、根拠に基づく医療(Evidence based medicine)の根拠を現場に提供する臨床検査技師にとって、必要不可欠である。基礎統計学においては、統計学的な考え方を踏まえ、適切な検定手法を選択したうえで、データの正しい扱い方を習得する。また、事前学習・事後学習を前提とした反転授業形式により主体的に統計学を学ぶ。最終的には統計・検定に慣れ親しみ、客観的なデータの取り扱いの為に、統計学を使いこなすことができるようになることを目的とする。

医用工学概論(第2学年前期)

医療現場で使用されている医用機器の原理と、それを安全に正しく運用するために必要な医用工学の基礎知識を習得する。本講義では、臨床医学における医用工学の意義、直流・交流回路、生体計測用増幅器、フィルタ回路、発振回路、電源回路、生体計測用センサ、臨床生理用計測機器、医療機器と安全対策などについて学習する。

医用工学実習(第2学年後期)

医療現場で使用される医用機器の基礎となる、アナログ回路やデジタル回路などを観察し計測する事を通じて、臨床検査技師に必要な電子・電気工学の理解を深める。医用工学概論で得た知識をもとに、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード、オペアンプ等の動作特性と、各回路の組み合わせによる特性変化の原理を理解する。

医療疫学統計学(第4学年前期)

基礎統計学で習得した統計学的な考え方をもとに、公衆衛生のみならず医療における様々なデータを正しく理解するためには、疫学と統計学の知識は必須である。本講義では、疫学の基礎となる罹患率・死亡率・致命率・人年法から、記述疫学や分析疫学の考え方、その研究内容を基礎統計学で学習した知識をと共に習得する。疫学の考え方は、医療現場以外の対象にも応用することができるため、医療疫学統計学を通じて、社会医学への理解を深める。