口腔構造・機能発育学系 小児歯科学

教育概要

小児歯科学(総論)

小児歯科学とは、小児の口腔機能の正常な発育を図るために、これを障害する異常や口腔疾患の予防と治療を行い、健全な機能をもつ総合的咀嚼器官を育成し、小児の全身的発育と保健に寄与する臨床歯科学の1分野である。さらに成長発育変化が継続している小児を対象にしているため、小児歯科学は成人歯科や老人歯科に対応する分野に位置づけられている。このため、小児に関する歯科医療全般を総括しながら、発育という生理的変化に調和した歯科医療が求められている。
 したがって、4年前期より開始する講義においては、総論として、小児の心身の発育、歯科領域に関連した顎顔面の発育、歯の発育と障害、歯列および咬合の発育、乳歯と永久歯の交換現象、乳歯齲蝕、小児の口腔軟組織、歯周疾患、思春期歯科および小児疾患等について教授する。なお、総論においては成長発育期の小児を理解するための基礎知識、さらに小児歯科学に必要な基礎知識を学び、理解することを目的とする。

小児歯科学(各論)

総論において、小児の成長発育、歯や歯列、咬合の発育と障害、乳歯う蝕の特徴などを学んだ後、各論では小児の対応法、口腔診査法(医療面接)、乳歯齲蝕の予防と治療、各種の歯冠修復法、歯髄処置、外科的処置の他に、咬合誘導法等について学び、成長発育期の小児の歯科的な治療における基本的術式や手順、内容、留意点等を理解する。

小児歯科学 基礎実習

小児の歯科治療を行ううえで必要な小児の対応および乳歯の特性を理解し、ラバーダム防湿法、予防填塞法、 乳歯の歯冠修復法、乳歯の歯髄処置法の基本的技術を修得する。さらに与えられた症例に対しての診査診断、治療計画の立案および保護者教育を実習で行い、小児歯科臨床の意義を理解する。

小児歯科学 臨床実習Ⅰ

小児歯科学の総論(4年前期)、各論(4年後期)、基礎実習(4年後期)で学んだ基礎的な知識と技能を、附属病院の患者を通した臨床実習の場で総合的な臨床体験を通じて身につけ、理解することを目的とする。具体的には、患者実習を通じて、基本的な症例の見学、実地を行い、小児歯科臨床の理解を深めるとともに、小児歯科治療に必要な技能を修得する。