口腔構造・機能発育学系 保健衛生学

概要

保健衛生学分野のかかわる範囲は多岐にわたります。歯科疾患の予防に関する基礎研究にととまらず、歯・口腔の健康を守るため、健康に生活する人々を含めた地域歯科保健活動まで、大変幅広い領域を包含します。その意味において、歯学部において最も地域社会との接点が多い分野と言えます。保健衛生学分野のミッションは、地域住民の歯・口腔の健康に寄与する諸研究を推進するとともに、パブリックヘルスマインド(Public Health Mind)を有する歯科医師の育成を図ることです。超高齢社会における歯科保健活動は、う蝕(むし歯)や歯周病等の歯科疾患の予防だけでなく、地域に在住する高齢者の口腔機能の向上や施設入所高齢者への効果的な口腔健康管理などへの対応も求められます。これまで以上に多職種連携のもと口腔保健・予防歯科学の推進が求められています。歯・口腔の健康課題は、ライフステージの影響を強く受けます。また、社会経済格差がもたらす歯・口腔の健康格差の縮小を図ることは、歯科医療・口腔保健に携わる歯科医師の共通のミッションです。私たち保健衛生学分野は、このミッションに取り組むために、3つの柱を設定しています。第一に、地域歯科保健学の推進です。歯科疾患の予防や口腔機能の維持・向上を図ることは、歯・口腔の健康を維持するだけでなく、全身の健康を維持するうえでも大きな意義を有します。自治体等の協力を得ながら、フィールド調査を行い、歯・口腔の健康と全身の健康との関連性を明らかにするための疫学研究や歯科保健行動に関連する研究を引き続き進めて参ります。第二に、口腔保健・予防歯科の推進のための基礎研究です。基礎研究の積み重ねにより、新たな歯科疾患予防法や治療法を見出すことができます。今後もパブリックヘルスマインドをもって、基礎研究を推進していきます。第三に、歯科におけるヘルスリサーチサービス研究の推進です。歯科におけるヘルスサービスリサーチは、必要な人に、どのように歯科口腔保健サービスを効果的に届けるかを明らかにし、医療の質の向上を図る学問です。歯科医療におけるヘルスサービスリサーチは、わが国ではまだ十分ではありません。新しい研究領域にも積極的に取り組んで参ります。私たち保健衛生学分野は、これらの研究活動で得られた知見を学生教育にも随時活用していきます。学生の皆さんの専門分野の関心を大切にし、その志を育てるための支援を惜しみません。また、これまで実施してきた調査研究成果は、国や自治体の対策を進めるためのエビデンスとして、これまでも活用されてきました。今後も、私たちの専門性をもってエビデンスを提示し、社会に貢献するような活動を進めて参ります。

お知らせ・更新情報

2012/02/01新たに保健衛生学分野のホームページを立ち上げました。

お問い合わせ

保健衛生学分野 教授 三浦宏子