口腔生物学系 生化学

教育概要

教育の概要

 生化学は、生命現象を分子レベルで理解することを目的として、おもに細胞が合成する生体分子の構造と機能を学びます。従って、生化学は分子のレベルまで下りた、ミクロの解剖学、ミクロの生理学と考えることもできます。生化学では、まず生体を構成する主要な成分であるタンパク質、糖質、脂質、核酸の構造的な特徴とその代謝を学びます。例えば、糖質では、その化学結合に封じ込められた太陽エネルギーがATPの高エネルギーリン酸結合に変化する過程を理解し、生命が動的平衡状態にあることを確認します。分子生物学的領域では、DNAの塩基配列として保存されている遺伝情報からタンパク質が合成される過程を学びます。さらに、口腔生化学では、骨や歯などの硬組織や結合組織に存在する分子、例えばコラーゲンやプロテオグリカンの構造と機能を詳しく学びます。また、病態生化学では、炎症や癌など病気の背景に分子レベルの異常があることを理解し、その治療法を分子レベルで探求します。