薬用植物園のご紹介

  北海道医療大学は全国の国公私立薬科大学の中で最も北に位置しています。

 大学のある当別町は、札幌市から石狩川を越え北東に約30Km、国道275号線沿いに位置しており、大学の周囲には田畑が広がり田園風景のとてもすばらしいところです。当別町の歴史は北海道の中では相当古く、明治4年、仙台藩岩出山の領主・伊達邦直公が家臣共々移住し開拓を始めてから100年以上の歴史をもつ町です。
 本学の附属薬用植物園は昭和60年(1985年)に薬学教育と研究の目的で設立されました。

 全敷地面積は標本園、栽培園を合わせて2900m2でそれ程広くはありませんが、温室内に熱帯、亜熱帯性の植物300種、標本園、栽培園には主に北方系の薬草320種、合わせて620種の薬用植物を保有しています。

 中でもゲンチアナウラルカンゾウ、マオウ、ムラサキ、モッコウ、ホッカイトウキ、ダイオウの7種類を特に重要な薬用植物と位置づけ、系統保存を行っています。
 また、本学は附属薬用植物園に隣接する153,000m2に及ぶ広大な保安林を有しており、この保安林内にウッドチップを敷きつめた全長 2Kmの散策路を有する北方系生態観察園が平成13年度に完成しました。

 この北方系生態観察園内には、現在までに約200種類以上の植物が自生していることが確認されています。生態観察園内には東西に2つの尾根があり、両尾根に挟まれるように唯一の水の手である大沢が流れ、湿地帯を形成しています。大沢の水の供給源は年間を通して冬に積もった雪解け水と雨水だけであり、さらに北方系生態観察園が、周囲の田畑よりも高い位置にあるので、農薬の影響をほとんど受けない環境になっています。

 そのため都市近郊ではなかなか見ることのできなくなったエゾサンショウウオや、シオカラトンボ、オニヤンマ、エゾハルゼミ、アブラゼミ、クワガタ、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、アゲハ、キアゲハ、カラスアゲハなどの昆虫が多数生息している他、色々な鳥類の生息地になっていることが分かってきました。

 北方系生態観察園内に自生している植物の中で、特に紹介させていただきたいのが、ラン科のオニノヤガラと、ウコギ科のトチバニンジンの大群落です。

 両植物とも日本薬局方収載生薬で、オニノヤガラは大沢一帯の湿地帯に毎年30株以上自生していることを確認しています。中国の文献によるとオニノヤガラの生育環境は、「海抜1000〜1800mの高山地帯の寒冷地で一日の半分が日陰、半分が日の当たる適度な湿り気を有する、植物の腐植質が多い肥沃な土壌でなければならない」と記されています。それとなによりもキシメジ科のナラタケがたくさん自生している環境が必須条件とされています。オニノヤガラ自生地一帯には予想通り広範囲にわたって大量のナラタケが発生しており、オニノヤガラとナラタケの共生関係を示す状況証拠を得ています。

  また「東側の尾根」一帯は、日本薬局方にも収載されている薬用植物で、トチバニンジン(生薬名;竹節人参)の大群落があります。大群落というよりは山全体がトチバニンジンで一杯であると言った方がおそらく正しい表現と言えます。ざっと数えただけでも500株を越える個体数のトチバニンジンを確認しました。その他「東側の尾根」には胸高25cm、樹高15 m 以上のキハダ、ホオノキ、ニガキなどの日本薬局方収載の薬木が多数自生しています。
 薬用植物園・北方系生態観察園は、大学の研究施設ですが、一般の方の見学も受け入れています。見学には事前に電話による連絡が必要です。0133-23-3792(担当:堀田清)までご連絡ください。

 また、漢方・薬用植物研究講座として、年4回の見学会も開催しておりますので、ぜひご参加ください。詳しくはイベント情報をご覧ください。