「チーム医療」の現場で活躍する卒業生たち

医療・福祉・保健・を担う先輩たちからのメッセージです。生き生きと働く先輩たちの姿に、将来のイメージを重ねてみてください。

提案できる薬剤師。

 内科、消化器科など5診療科、150床をもつ病院の薬剤師です。外来は院外処方のため業務の中心は入院患者さんの薬・注射の調剤と病棟支援で、ほかに院内委員会活動、学会発表などもあります。業務の幅の広さと、活躍の場が多彩にあることが病院薬剤師の魅力です。患者さんのメリットを考え、医師への処方提案も積極的に行っています。 医師の依頼を受け、抗生剤を安全、有効に投与する間隔や量を決める投与設計も、緊張感の中に専門家としての張り合いを感じる仕事です。
 入院患者さんとの関わりは自然と深くなりますが、意識して担当病棟に足を運んでいます。病棟は患者さんに学び、医療人としても大切な感情に出会える場です。末期がんの患者さんから頂いた「大久保さんはいちばん頼りにしている“病院の人”」という言葉は、医療人としての原動力の一つになっています。また、複数職種の連携の確かさが一人ひとりの患者さんのメリットに直結することをより実感できるのも病棟です。チームの1員としてチームワークに磨きをかけていきたいと思っています。

大久保さんの職場はチームワークのよさが大きな自慢。この日は、ある入院患者さんの長引く腰痛について、様々な職種のスタッフが改善へのアイデアを活発に出していました。

課題解決できる薬剤師。

 業務を終えた18時頃からは医療現場の課題解決をめざす研究とその発表準備にあてます。これまで進めてきた他病院からの転入患者さんの持参薬の有用性とリスクの研究は3つの学会で発表の機会を得ました。 次の研究テーマも臨床に直結するものを考えています。病院薬剤師であり研究者でもある私のスタイルは、現場を知り尽くし、病院薬剤師の可能性を切り開いてきた長年のキャリアと実績を携えて北海道医療大学に着任された恩師にインスパイアされたものです。 学部と大学院で叩き込まれた「受け身ではなく、医師に処方提案、看護師に指導できる」「科学者の研究心を失わない」薬剤師像を、次は私自身が体現し、後輩たちに示すことのできる存在になりたいと思います。

病院名の通り、リハビリスタッフが充実していることが病院の特徴の一つです。大久保さんはPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)との連携もしっかり。奥から2番目のST・阿部耕大さんも本学卒業生です。この4人、仕事を離れてもスノーボード仲間といいます。
※取材:2014年
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