「チーム医療」の現場で活躍する卒業生たち

医療・福祉・保健・を担う先輩たちからのメッセージです。生き生きと働く先輩たちの姿に、将来のイメージを重ねてみてください。

提案できる薬剤師。

 市立札幌病院の腎臓内科、呼吸器内科、血液内科の患者さんが入院する53床の混合病棟に勤務しています。 小さなことでも一人で考えずカンファレンスなどで様々な医療スタッフに相談し、患者さんが前向きになれる、いま生きている喜びを感じられる支援をめざしています。
 異なる医療職の経験や視点を合わせると医療の力は自分が思う以上に発揮されると思います。酸素ボンベを離せない終末期患者さんの「外出したい」という切なる願いを、主治医、チームの看護師、リハビリスタッフとの連携でかなえたこともありました。一見不可能と思われましたが、それぞれの専門性を駆使しながら課題を一つずつ解決し、実現させました。久しぶりのショッピングセンターで「最高です!」とおっしゃった患者さんの弾んだ声、満面の笑みはいまも大きな励みになっています。看護の枠にとらわれない自由な発想で課題解決に臨むときこそ看護の専門知識や技術が生かされると感じたケースでした。

傷の治る過程がわかる外科のような目に見える変化に乏しいと思われがちな内科ですが、「看護師の介入による患者さんの内面の変化はしっかりと実感できます。大きなやりがいです」と松井さん。

課題解決できる薬剤師。

 働くようになって看護の仕事は感性が問われるものだとわかりました。そして、その感性が大学で磨かれていたことにも気づきました。技術は練習を積めば獲得できますし、遅れても頑張って特訓すれば取り戻せますが、自由な発想や豊かな感性は多彩な経験の中でしか身につかないものです。北海道医療大学の先生方は課題は出しますが、自分たちで調べなさい、考えなさい、やってみなさいと見守ってくださいました。 グループワークも多く、視点や思考の多様性、互いに尊重する大切さを知りました。大学で身についた調べる力、考える力、発想する力、協働する力に、いまとても助けられています。

勤務する病棟にはドクター11人、看護師28人、薬剤師3人がいます。慢性期、終末期の患者さんが多いため、カンファレンスでは現在の状態はもちろん、患者さんの希望や個性、あらゆる情報を共有し、よりよい援助を共に考えます。
※取材:2014年
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