最終リハーサル

ゴールまであとわずか!「メディカル・カフェ」開催に向けて、最終チェック

夏休みまっただ中の8月8日(金)午前10時、本学サテライトキャンパスにて、8月10日(日)に本番を迎えるBグループの最終リハーサルが行われ、Bグループのメンバーと当日ボランティアスタッフとして運営や設営をサポートする学生、あわせて16名が集まりました。本番までに練習できるのは今日が最後。和気あいあいとしたムードの中にも、緊張感がありました。
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ここまでみんな、頑張りました!初めてづくし、3ヶ月のカフェづくり。
 合宿ワークショップで心をひとつにしてカフェづくりへの意欲を一気に高めた学生たちは、その後5グループに分かれてメディカル・カフェ開催への準備を着々と進めてきました。
 最初に取り組んだのはカフェのテーマ決定。各自興味のあるもの、時代のニーズを捉えていると考えるものを企画書にまとめて持ち寄った授業では、それぞれのこだわり、頭に描くカフェ像がぶつかりあい、熱のこもった話し合いが繰り広げられました。ときどきアドバイスを交えながらも議論の行く末は学生の自主性にゆだねた先生たちも、きっと、思いが強い分だけいいカフェができると確信したに違いありません。最終的に各グループで分野が重ならないよう調整を経て、市民の興味を強く引きつけそうな5つのテーマが決まりました。
 テーマ決定の後は、ゲストへの交渉、カフェのシナリオづくり、広報活動など具体的な作業が待っていました。大学も学部も学年もボーダーレスのクラスですから、この授業が開講される土曜日以外の平日に行う準備には不安もありましたが、学生同士、先生と学生でインターネットをフル活用しながら、各自スケジュールをやりくりしてすべてクリアすることができました。ゲストへの依頼文作成や、プログラムに掲載する顔写真撮影を兼ねたゲストへのインタビュー(日程や内容の打ち合わせ・確認)も、身だしなみや言葉遣い、慣れないビジネスマナーにとまどいながら、先生がたのサポートのもとで学生自身が行いました。ゲスト、会場、学生、他グループ、すべてのスケジュールを合わせるのに苦労した開催日程も、ゆずりあいのなかで決めたものです。
 うれしいことに、こうして着々と開催へと向かう“全国初、学生がつくるメディカル・カフェ”には、マスコミも敏感に反応してくれました。7月下旬には日程やテーマを入れて新聞にとり上げられ、大きな宣伝に。「市民も期待してくれている」。自分たちのことだけで頭がいっぱいになりがちな準備作業のなか、学生たちの心に「学内のイベントとは違う」という自覚が湧いてきました。
やってみると「?」がいっぱい。ていねい語ってやっぱりむずかしい。
 今日は8月10日(日)16時からのBグループのカフェ「あなたの食事大丈夫?〜正しい食中毒の予防法〜」の最終進行チェックです。Bグループのメンバーだけでなく、当日お手伝いをしてくれる学生、先生がたが夏休み返上で集まりました。もちろんリハーサルを仕切るのは学生自身。本番も初めてなら、リハーサルも初めて。集合時はなにやら手持ちぶさたな様子でしたが、Bグループの学生の声がけでリハーサルが始まりました。最終リハーサルと言ってもゲストや市民はいませんが、当日の会場の雰囲気に想像力を働かせるにつれ学生の間に静かな緊張感が走ります。開催の挨拶から始まり、司会、ゲストから預かったスライドを一通り映してのゲストトークの流れの確認、質疑応答、そして閉会までを、途中で問題点がみつかっても中断せず通してやってみました。いざやってみると思い描いていたようにはできないのが現実。とくに言葉遣いには、かなり苦戦しています。カフェではゲストを「さん」づけで呼ぶのですが、つい「先生」と呼んでしまう、「です・ます」調を使いこなせない…。マイクを持った学生はスムーズに話そうとするほど噛んでしまいます。
”不安”を”やる気”に。いいカフェづくりに、一歩ずつ接近。
 1回目のリハーサルの後は、学生間でみつけた問題点が話し合われました。Bグループのメンバー以外の学生たちにもそれぞれ自分たちが開催するカフェが控えていますから、気になることはどんな小さなことも解消しておきたいという気持ちがストレートに表れた活発な意見交換でした。たとえば、参加者(市民)からの質問。カフェは市民と専門家との対話の場ですから、質疑応答をどう進めるかがいいカフェになるかどうかの分かれ目とも言えます。質問は受付時に渡すカードに書いてもらい、フロアファシリテーター(※)が集めて休憩時間中に分類、参加者全体で共有できる内容をピックアップしておいて、そのカードを書いた参加者にマイクを渡すという流れは決まっていましたが、分類が意外に手間のかかる作業とわかりました。結局、他グループの学生のひと声で、休憩時間を当初の10分間から15分間に延ばすことに。他にも、休憩に入るときは「○時○分まで」と時間を明確にすること、閉会時の締めの言葉でゲストや参加者へのお礼を忘れないこと、参加者が帰るタイミングをつくることなど、具体的な改善案が学生から続々と挙がります。先生がたからも、質問カードはゲストトークの最中も受け付けることをあらかじめアナウンスすることから、トイレの場所の案内の仕方まで細かなアドバイスがありました。一通り反省点をチェックしたところで、200本ものテレビ番組の制作に関わってきた阿部先生のひと声。「テレビ番組も厳しいリハーサルを重ね、大変な思いをして作られています。さあ、きびきび行動しましょう!」。この声に励まされ、学生たちは「今度こそ!」の表情で2回目のリハーサルに臨みました。

(※)ファシリテーター:参加者の反応を見ながら、理解を助け、ゲストと参加者のスムーズな双方向コミュニケーションをサポートする人

カフェ進行の鍵は”臨機応変”。本番への意識合わせ、OK!

 この日の2回のリハーサルを通して学生たちが実感したのは、カフェは参加者がいて初めて成り立つということ。ゲストトーク、質疑応答、どの場面でも、開催側が一方的に進めるのではなく、会場の雰囲気、参加者の反応に合わせた対応が求められるということです。メインファシリテーターは、会場の雰囲気、参加者の表情をよく見て、理解しづらいようであればタイミングをはずさずゲストトークにも割って入っていかなければなりません。学生でなくても難しいことです。フロアファシリテーターにも参加者が質問カードを出しやすいよう気配りが求められます。学生はこれまで「どんな質問が出るか」を気にしていたのですが、今日のリハーサルで「質問、どれだけ出してくれるだろう」「なかなか出なかったらどうしよう」と、その不安もとても臨場感あるものへと変わりました。今日のリハーサルに参加者である市民はいませんでしたが、臨機応変な対応へ、当日のスタッフがしっかり意識合わせできたことは大きな収穫です。
 さて、2日後はいよいよメディカル・カフェ本番。その様子は次回のレポートで紹介します。お楽しみに。
 

合宿後の授業の流れ

情報収集
ゲストと交渉するにあたっての礼儀、依頼文作成法や社会人としてのマナーの確認。テーマ・ゲスト選びの心構えを学びました。ここで、学生が知りたいテーマと市民が望むテーマが必ずしも一致しないことに気づきました。
企画立案
学生それぞれがゲストとテーマ(分野)の候補を思いつくままに考えた企画書を持ち寄り、グループごとにテーマを2つまでしぼりました。みんなで意見をぶつけ合って、ようやくテーマが決まりました。
ゲストへの交渉
前回決めたテーマに沿ってアタックするゲストを決定。具体的なインタビュー法も学びました。
インタビュー
プログラム用の写真撮影をかねて、ゲストのもとへインタビューにでかけました。
日程決定
ゲストの都合の良い日と学生・場所の都合を調整し、日程を決めました。開催場所は、全回、紀伊國屋書店札幌本店1階のインナーガーデンに決定!
役割分担
司会、タイムキーパー、ファシリテーターなど、グループ内での役割分担をしました。
日時決定
5グループすべてのカフェ開始時間が決まりました。
広報
各グループの広報担当で、広報部隊を結成。この部隊で効率よく全カフェの広報を行うことに。メディカル・カフェのロゴ、各回のタイトルを決め、広報活動がスタート。カフェのチラシ&当日配布するプログラムも学生自身が原稿を作成しました。
リハーサル
全体リハーサル。本番直前には、グループごとに最終リハーサルが行われます。