2012北海道医療大学コラボ★講演会 レポート

第6弾
「  口から食べられる理想に向かって

 日時   平成25年 3月 9日(土)14:00−17:00
 講師   講演1 中標津総合歯科診療所 理事長                          内藤  敢  先生
               講演2 横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科 助教  若林 正隆先生 
 場所   北海道経済センター 8F (札幌市中央区北1条西2丁目)

 

はじめは「中標津町における多職種連携による食支援〜訪問歯科診療と訪問口腔ケアを通して〜」をテーマに、内藤 敢先生の講演でした。

内藤先生は、訪問歯科や経口摂取向上について地域の医療介護の関係者と連携して取り組んでいます。かつては歯科医院が十分に無く、札幌や釧路といった他都市に地域に歯科治療を求めることも珍しくなかったとのことで、現在も一部その名残があるようでした。

 講演の中では、訪問歯科診療を開始してから、診療所のユニットだけでは見えなかった生活の様子やご家族の気持ちをより身近に感じるようになったという内容が、特に印象に残りました。当初は外来で行う治療と同じ期間や回数を計画していたところ、限られた生活の時間の中で、患者さんたちは「口から食べること」への願いが強いことに気付かされたといいます。そのため、治療の工夫はじめ介護関係者に協力を求めながらケアにあたることに尽力し構築され、患者さんの口腔機能維持に有効であると実感されたと言います。そんなプロセスや現在の取り組みを、症例を紹介しながら説明してくださり、医療・介護の現場に携わる私たちは口腔ケアへの意識を、改めて高めることができる講演でした。

  (左:会場の様子  右:休憩時間は、業者の商品案内コーナーも)



引きつづき「摂食・嚥下障害のリハビリテーション栄養」、若林 正隆先生による講演です。

「サルコペニア」皆さんご存知でしょうか、声がかかるとほぼ会場いっぱいの方が挙手しました。最近はメディアにも登場し一般の方も目にする機会が増えているようにですが、病院勤務の私、よく知りませんでした。
 リハビリテーションのプログラムを組む際には、疾病と栄養とその根拠に基づく介入が有効であることを、わかりやすく説明してくださいました。サルコ=筋肉、ペニア=減少と訳され、主に加齢だけでなく、慢性疾患含め全ての身体的状態において当てはまるといいます。ですから、サルコペニアの実際の診断基準や原因となるアセスメントが重要であり、因子によって異なる対応があるということを臨床に基づいたデータより解説いただきました。
 介護現場や医療における退院支援、ケアプランの作成などでスクリーニングするうえでも、この理論を参考に今後患者利用者の支援の充実に繋げて行きたいと感じました。また、若林先生のお話でたびたび登場するキャラクターが大変愛らしく、サルコペニアの内容はもちろん、そちらも私たちの心を掴んではなさない時間があっという間の講演でした。
















北海道ではまだまだ寒さ厳しい一日となりましたが、全道から卒業生が集い充実した会になりました。

座長の歯学部同窓会池田 和博先生はじめ、スタッフのみなさん運営お疲れさまでした。

 

   同窓会スタッフ集合写真です。(前列右が、小畑会長)

 

講演会終了後は、講師の先生や大学関係者もお招きして懇談会を設け、福祉・介護同窓会からも多数出席させていただき、同窓の異業種交流会となり互いの業務や大学での思い出など情報交換をおこない有意義な時間を過ごすことができました。福祉・介護同窓会は今回からお手伝い参加となりました、次年度からは企画から参加でお力になりたいと考えています。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

(撮影 歯学部同窓会 伊藤 麻衣さん)
(記録 福祉・介護同窓会総務局_吉野)




20130404

                                2013年度は、2014年3月8日(土)3月 第2土曜


                                                                                                                     

 TOPページに戻る