2012同窓会セミナーT 開催報告 |
「東日本大震災から一年 〜今とこれから〜」 |
講師 齋藤 大介 氏(医療福祉学科 1期卒) NPO法人みんなのひろば 理事長 |
講師 木村 るみ子氏(看護学科 2期卒) 宮城県 女川町役場 保健師 |
場所 札幌サテライトキャンパス アスティ45 (札幌市中央区) |
5月12日(土)平成24年度看護福祉学部同窓会セミナーTが開催されました。 2011年3月11日の東日本大震災から一年を経て、改めて現状の報告とこれからについて語らおうというテーマで企画設定しています。 当日は現地で勤務する同窓生2名を講師に招き、震災関連の理解を深めることができました。 講師の齋藤 大介さん(医療福祉学科1期卒)は、フリースクールNPO法人みんなのひろば(福島県伊達市)の理事長です。かつて体験したことのない揺れの大きさ、その時の子どもたちへの対応など、臨場感豊かに伝えてくださいました。一年経った今でも、地震やテレビの画像に過敏になっている子どもたちが身を震わせることは援助の複雑さを考えさせられました。 また、身近な存在となる原発は「住んでいても答えは出ない」と話し、現在残っている人は、移住が出来なかった人たちであり不安があっても逃げられなかった重みが印象に残るものでした。サイトを通じて世界各地から支援が届いたことも励みになり、住み続けていつか大丈夫だったね、と言えるよう前に進みたい、あきらめないとの決意が、心強く響きました。 木村るみ子さん(看護学科2期卒)からは、齋藤さんの印象と異なりその後の津波が強烈すぎて揺れの記憶は無く、沿岸部の人口8,000人ほどの女川(おながわ)町での津波の様子や、唯一の幹線道路が寸断されてから支援が来るまでの数日をどう過ごしたか、赤裸々に語られました。 現状への対処が精一杯で、突発的なボランティアの対応までは残念ながらできかねた内容も、報道で見聞きするより切迫感が伝わるものでした。 また1年経ての変化として、行政職員の体調の限界や町民の不眠やフラッシュバックの訴えなどみられ、8ブロックに分へて地域を医療者が巡回したり、力になってくれる町民に「聞き上手ボランティア」を養成したりして対応に努めていました。初めての経験にも関わらず現状の分析や支援方法を判断した経過は、普段から意識高く業務に従事されていたと想像するものでした。 お二人からは、災害伝言ダイヤル171を利用できるよう準備しておいてほしいこと、これからも福島(の現状)を気にかけていて欲しいこと、これまでは、すでに出来あがった地区(仕組み)の中に向かって介入していたと気づき、基盤の無い中からの支援について考えるようになったことを伺い、日頃の業務にも通ずる講演内容は、大変刺激になりました。 講師のお二人にも参加していただいたグループワークでは、活発な意見や感想が交換され有意義なセミナーとなりました。その後の懇親会も看護、福祉、介護の職種が交流して大いに盛り上がりました。 講演快諾しお越しくださった齋藤 大介さん、木村るみ子さん、ありがとうございました。 また今後の取り組みも伺う機会があればうれしいです。 (記録 総務_吉野) セミナーの様子
20120615 |
2012.9.1(土)看護福祉学部学会共催セミナー |