平成30年度より会長に就任いたしました歯学部口腔構造・機能発育学系解剖学分野の坂倉です。就任に当たりご挨拶申し上げます。

 さて、歯学会を取り巻く状況は厳しさを増しております。ひとつには、歯学雑誌への投稿論文数の減少が挙げられます。過去5年間(10冊)に発行された内容をみますと、総説7編、原著25編、ミニレビュー10編、症例報告8編と極めて菲薄な構成内容となっています。これまで、カラー印刷の無料化、最優秀・優秀論文賞や研究奨励賞を創設するなど手を尽くして参りましたが、効を奏するような結果はみえていないのが現状です。さらに、学術大会への発表演題数の減少です。例年20題程度ありました一般演題が、この数年16題(平成29年)、14題(平成30年)と少なくなっております。加えて、会員数も平成27年には820名程度でしたが、現在では753名(平成30年総会資料)となっております。

 会長就任を機に歯学会の置かれている状況を改めて見回してみますと、魅力ある歯学会にするための改革が必要な時期に差し迫っている感がしております。例えば、大学内の専門領域の先生に歯学雑誌の原稿を依頼する、あるいは例年3月に開催される同窓会コラボセミナー「最後まで口で食べる」のご講演内容を掲載する(講演内容の要約を掲載する)、あるいは全国的に活躍されている歯学部同窓生の取組みを紹介するなど、歯科領域あるいは歯学部のみに捉われることなく、多職種連携あるいは地域連携の観点から幅広く情報を発信できるような形態に変革することが必要ではないかと思います。さらに、一例として、研究・教育・臨床テーマを設定し、学内あるいは学部内の教員によるシンポジウムやワークショップを学術大会で企画する改革も必要かもしれません。

 魅力的な学術大会であり歯学雑誌であり続けるために前進しさえすれば、会員数も増加していくのではないかと思っており、好循環化に向けて尽力してまいりたいと考えております。今後とも、会員の皆様にはご理解とご協力をお願いして、会長就任のご挨拶とさせていただきます。 

北海道医療大学歯学会
  2018、2019年度

会長  坂倉 康則
会長挨拶