主Ⅱ-3北海道医療大学セミナーⅡ
北海道医療大学 同窓会コラボ☆講演会

【参加資格】 医師、歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士、看護師、介護福祉士
その他興味のある方
【定員】 200名(申込先着順)
【受講料】 無料

2013年3月9日(土)14:00~17:00

開講会場 : 北海道経済センター

中標津町における多職種連携による食支援
〜訪問歯科診療と訪問口腔ケアを通して〜

20数年前より道東の中標津町において訪問歯科診療を行ってきました。介護を必要とする高齢者や障害を持つ方々は脳血管障害や、加齢、廃用などが原因で食べられなくなる方が非常に多くみられます。往診を始めた当初、同町の医療、看護、介護現場における口腔への関心は非常に薄く、口腔ケアはほとんどされず、高度の齲蝕や歯周病が蔓延していました。また無歯顎や少数歯が残存しているだけの患者さんが大半であるものの、義歯のほとんどが不適合で使用していない方も多い状況でした。さらに摂食への積極的な取り組みはほとんどされず、口腔ケアの不徹底により誤嚥性肺炎を生じる方が非常に多く、ほとんどが胃瘻などの経管栄養に頼る現状でした。
この様な状況を解決し、口腔ケアの重要性を含め、口腔への関心をもってもらい、口からの摂食を積極的に行えるように、町内の医療、看護、介護職に呼びかけ、摂食、嚥下リハビリテーション研究会を立ち上げました。その後は口腔ばかりではなく全身の看護、介護を学び、多職種間の協力、連携を深める目的で、中標津ケア研究会と名称を改め現在活動を続けています。
今回は地域における多職種連携による食支援について、訪問歯科診療での事例を通して報告させていただきます。

内藤 敢(中標津総合歯科診療所 理事長)

ないとう かん/1957年生まれ。北海道大学歯学部卒業。83年中標津町立歯科診療所歯科医師、84年同所長を経て、99年より現職。根室地域リハビリテーション推進会議副会長。



摂食・嚥下障害のリハビリテーション栄養

リハ栄養とは、栄養状態も含めてICF(国際生活機能分類)で評価を行ったうえで、障害者や高齢者の機能、活動、参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことです。広義のサルコペニアの原因には、加齢、活動・廃用、疾患(侵襲、悪液質、神経筋疾患)、栄養があります。サルコペニアによる嚥下障害の場合、サルコペニアの原因によって、レジスタンストレーニングを含めたリハビリと栄養管理の使い分けや併用が重要です。本講演では、特にこの点について、お話ししたいと思います。

若林 秀隆(横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科助教)

わかばやし ひでだか/1995年横浜市立大学医学部卒業。横浜市立大学医学部付属病院、横浜市総合リハビリテーションセンター、横浜市立脳血管医療センター等を経て、08年より現職。日本リハビリテーション医学会指導責任者・専門医・認定医、日本静脈経腸栄養学会認定医。日本リハビリテーション栄養研究会会長。