教育概要
多職種連携入門(第1学年前期)
准教授 町田 拓自
現代社会における保健・医療・福祉では、個体差に基づいた個々人に最も適したケア、および個人の人格を尊重し、個々人を最も 幸福にするケアが求められている。また、高度に専門化し複雑化した保健・医療・福祉システムや、少子高齢化時代を迎えるにあたり、専門職業人が協働する「多職種連携」が必要とされている。この講義では、医療系総合大学として本学が掲げる「新医療人」に求められる個人差に応じた健康科学および多職種連携の理念と方法、その具体的実践について理解するため、全学部学科の学生が共に学ぶ。
早期体験学習(第1学年通年)
准教授 町田 拓自、助教 平出 幸子
薬学生として6年間の学修のモチベーションを高めるために、将来活躍する場となる医療現場(病院、調剤薬局)や関連施設 で勤務している薬剤師からの講義を通して、社会における薬剤師の役割や職務の重要性について学修内容から討論し、それらを まとめて発表する。 本学習の目的は、薬学生として自分の将来目標を達成するために、薬剤師として活躍すべき場所がどのような環境にあり、ど のような社会的役割を果たすのか、そしてその目的に向かってどのような学修が必要であるかを様々な施設(現場)を訪問し、 体験学習することによって実感することにある。医療現場で活躍するためには、それを裏づける様々な能力が必要である。それ らの能力を身につけ、目標を達成するためのモチベーションを高めるために、現場の体験学習が6年間の学修の礎となるように 積極的に取り組み、個々人の目標とする将来像について議論する。
機能形態学II(第2学年前期)
教授 飯塚 健治
近年の生命科学の進歩は著しく、多様化且つ専門化しています。薬学部学生を含め、医療家の学生には、その生命科学の最先 端の知識を学び、理解することが求められています。そのためには、先ず、”生命科学の基礎”という土台を築くことが大切で す。 本講義では、前年度で履修した機構形態学Ⅰに基づいて、疾患発生のメカニズムや予防・治療を理解するための基礎として、 人体を構成する各器官の正常な構造と機能を学んでいきます。
薬理学総論(第2学年前期)
准教授 町田 拓自
チーム医療における薬剤師の役割は、医薬品に関する専門家としてその適切な選択・使用に努めて、適正な薬物治療に貢献する ことである。そのためには、薬理学、病態生理学、臨床薬理学などを基礎とする薬物療法に必要な知識の統合的な理解が求めら れる。薬理学総論は、薬物療法学の講義に先立って、薬物の生体に対する作用に関する基本的知識を習得することを目的とする。
薬物療法学I【自律体性神経】(第2学年後期)
准教授 町田 拓自
様々な疾患の治療において中心となるのが治療薬を用いる薬物療法である。適正な薬物療法を行うためには、病態についての基 礎的知識、用いる治療薬についての薬理学知識、そして治療薬の実際の使い方を統合した薬物療法学の知識が重要である。「薬 物療法学」は病態と治療についての統合的な知識習得を目指す科目である。医療人として医療現場への関わりがますます多くな るこれからの薬剤師には、専門性の高い薬物療法学的知識の習得が常に求められる。 「薬物療法学I」では、末梢神経系の自律神経系、体性神経系に作用する薬物と体性神経系・筋の疾患と治療について、薬理学を 中心に、機能形態学的、病態生理学的知識も交えて体系的な理解を図る。
薬物療法学III【皮膚・感覚器・血液】(第3学年前期)
准教授 町田 拓自
様々な疾患の病態生理学的背景や臨床経過を理解することは、薬物治療を実践するに当たって極めて重要である。薬物療法学 Ⅲでは、皮膚・感覚器・血液の疾患について、その病因・病態を理解し、関連する薬物の薬理作用や薬物治療の理論的背景と合 理的な医薬品の使用方法を学ぶ。
薬学特別演習III【薬理系】(第3学年前期)
准教授 町田 拓自
「薬理学」は様々な疾患に対する治療薬についての基礎的知識の修得を目指すものである。その内容は新薬の開発、生体の機 能・形態や生理活性物質の発見、そして新たな疾患の出現や発症機序の解明、治療法の開発によって変遷する。医療人として医療 現場への関わりがますます多くなるこれからの薬剤師には、新しい薬理学的知識の修得が常に求められるが、そのためには機能 形態、基礎生理、基礎薬理に関する基礎的な内容の理解が必須である。「薬学特別演習III」は、第1学年、第2学年で学修する 医療薬学薬理学関連科目について、これまで理解度が不十分と見なされる既受講学生や第3学年からの編入生などを対象に、機 能形態、基礎生理、基礎薬理に関する基礎的な内容を少人数での演習により理解度を高め、3年次以降多くなる薬理系専門科目の 学習への基礎を固めることを目的とする。
薬物療法学VI【循環】(第3学年後期)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自
様々な疾患の病態生理学的背景や臨床経過を理解することは、薬物治療を実践するに当たって極めて重要である。薬物療法学 Ⅵでは、心血管疾患と循環器関連治療薬、体液・電解質や利尿薬などの循環系に関わりの深い疾患について、その病因・病態を 理解し、関連する薬物の薬理作用や薬物治療の理論的背景と合理的な医薬品の使用方法を学ぶ。
医療薬学I実習(第3学年後期)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自、助教 平出 幸子
薬理学とは薬物と生体の相互作用を研究する学問であり、薬物が生体にどのような機序でどのような反応(薬理作用)を引き 起こし、どのように処理されていくか(吸収、分布、代謝、排泄=薬物動態)を追及するものである。その作用が生体に不利益 のみをもたらす場合はその物質は毒物となる。すべての薬物は適切に使用されないと毒物となる危険性がある。ある薬物を医薬 品として開発し臨床の場に提供するまでには、その効力ならびに毒性に関する基礎的性質を非臨床試験により明らかにしなけれ ばならない。これはほとんどが動物実験であり、様々な実験動物を用いて、薬効薬理試験(治療目的の作用を調べる)、一般薬 理試験(治療目的以外の作用も調べる)、一般毒性及び特殊毒性試験を行う。逆に薬理試験あるいは薬理実験から生命現象がさ らに解明される場合もある。 本実習では、全動物(in vivo)あるいは摘出臓器(in vitro)を用いた種々の実験方法により、機能形態学、薬理学および 臨床薬理学で学んだ薬物についてその薬理作用を実際に試験し、確認する。実習に臨むにあたってその内容、目的を良く理解し 準備しておくことが大切である。また、注意深い観察と結果の忠実な記録、そして適正なデータ処理が必要であることを実習を 通して理解する。
臨床検査医学(第4学年前期)
教授 飯塚 健治
今日臨床の様々な場面において、検査情報が果たす役割はますます増加し、その内容も極めて多様化している。これら臨床検 査を中心とする一連の診断プロセスと病態との関係を総合的に学修する。 臨床検査医学の進歩は、疾患の診断、治療、予後の判定など患者に多くの福音をもたらした。一方、薬剤の開発と進歩に従い、 尿中、血中濃度の測定も一部可能になり、薬剤師の果たす役割も多様化するようになった。臨床診断学では、日常頻繁に使用さ れている臨床検査項目について、検体採取から臨床的意義並びに検査値の基本的な考え方などについて、臓器別疾患ごとに学修 する。
医薬品安全(第4学年前期)
教授 飯塚 健治
医薬品の安全性および毒性について学ぶ。薬物は量が多過ぎたり、適応を誤ったり、投与を受ける生体側の諸条件に先天的また は後天的に変化が存在するか、または生じたりすると、如何に安全と思われる薬も有害な生体反応を起こすことになる。生体に とって不利な作用は薬物の副作用とされ、さらにその度が強い場合には生体に重篤な異常事態を引き起こすことになる。これを 中毒と総称している。中毒は最悪の場合には死につながる。すべての薬物は本質的に副作用または中毒作用を起こす可能性を内 蔵しているものである。臨床使用においての副作用を回避するため、主として医薬品の人体に対する副作用および中毒の作用機 序ならびに治療法を学修する。
臨床薬理学(第4学年前期)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自
これまで学んだ医薬品の薬理作用の知識を基に、疾患の病態を考慮して選択すべき薬物治療について臨床的観点から考察を加 える。 1.薬物の人体への作用を整理して、疾患治療における有用性を知る。 2.臨床での薬物治療という観点から、病態との関係に基づいた合理的な医薬品の使用法を学ぶ。 3. 医薬品の薬理作用と主な副作用を考慮して、各種疾患に対する治療効果を学ぶ。4. 自動調剤システムの導入による薬剤師業務の変化について学ぶ。
薬学特別演習V【薬理・薬物治療・薬剤・法規】(第4学年前期)
准教授 町田 拓自
第3学年後期までに学修した医療薬学ならびに法規・制度関連科目のうち、理解の到達が不十分とみなされる科目について、少人 数制での復習を加味した演習により理解度を高め、これまでの学修の基礎を固めることを目的とする。
実務実習前実践演習II(第4学年後期)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自
5年次の実務実習へ向け、4年次までに学習した医療薬学(薬理・薬剤・情報)系科目の基礎的事項について、問題演習を中 心とした総合的なまとめの学習を行う。
薬学英語II(第4学年後期)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自、助教 平出 幸子
薬学分野の専門英語の修得を目標とし、少人数で医学・薬学に関連する英文資料の内容を理解し、問題点の抽出、解決のため の調査を通して関連事項の理解を深める。 医学・薬学分野の基礎的な英文を理解し、要約できる能力を醸成するため、医療関連分野の英文を読み、内容の理解、内容の 問題点などを討論し、問題解決のための方策について学習する。これらの学習によって、医療現場で必要な医療情報を的確に収 集し、内容を理解し、説明できる基礎的能力を身につけることを目的とする。
医療薬学複合演習I(第6学年前期)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自
これまでに学んだ薬理・病態・薬物治療に関する基礎的な知識を集約して学修することにより、これらの分野を統合的に理解 し薬物療法における幅広い応用力を身につける。
臨床画像解析学(第6学年前期)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自
臨床の様々な場面において、画像情報が果たす役割はますます増加し、その内容も極めて多様化している。また画像情報の進 歩は、疾患の診断、治療、予後の判定など患者に多くの福音をもたらした。本講では、代表的な8疾患を中心に、日常頻繁に使 用されている画像検査の観点から、その臨床的意義並びに基本的な考え方などについて学ぶとともに、一連の疾患診断プロセス と病態との関係を総合的に学修する。
フィジカルアセスメント(第6学年前期)
教授 飯塚 健治
フィジカルアセスメント(診察によって患者さんの身体所見を得て、病状を評価すること)は、薬の有効性や有害作用を確認す るために必要な技能である。また、在宅訪問診療などで、他の医療スタッフとコミュニケーションをとる際にもフィジカルアセ スメントの知識が必要である。本科目はフィジカルアセスメントの実習を含む講義であり、卒後の薬剤師実務に役立つことを目 指している。
薬学総合演習(第6学年後期)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自
5年半にわたっての授業科目で学んできた知識を統合的に復習することにより、薬剤師業務を的確に遂行できる専門的知識を科 目横断的に活用できる能力を修得する。
総合薬学研究(第4〜6学年通年)
教授 飯塚 健治、准教授 町田 拓自、助教 平出 幸子
病院薬局あるいは保険調剤薬局において長期実務実習を行うが、その実習以外の期間と、第6学年後期の薬学総合講義までの 期間はそれぞれの配属研究室において総合薬学研究を行う。この総合薬学研究では、研究志向、成績も反映させて学生を実験研究コースと調査研究コースの2コースに分けて行う。 実験研究コースでは、各研究室の研究テーマに関連した課題について実際に実験研究を行うことにより科学的技能、態度を身につけるとともに、創造的研究活動の重要性を理解する。 調査研究コースでは、各教室の研究に関連したテーマなどの様々な課題についての調査研究を行うことにより、科学者として の薬剤師として現場において職務を全うするために必要な知識と調査を行う技能を修得する。